事実と意見を混同する人は、無意識のうちに自分のバイアスで歪められた情報を「事実」として組織に流し込み、チーム全体の意思決定を誤らせる「リスク要因」になってしまうのです。
「仕事ができる人」ほど、このリスクに敏感です。だからこそ、話し始める前に、頭の中で情報の仕分けを徹底的に行っています。
仕事ができる人は、「まず事実」から話す
では、「説明がうまい人」は同じ場面でどう報告するでしょうか。彼らは、徹底して「事実」と「意見」を切り分けて話します。
○:説明がうまい人
「まず、事実からお伝えします。先週、クライアントと30分面談しました。その場でいただいた質問は、『機能の必須性』と『納期の短縮』の2点です。価格に関する質問はありませんでした。
……ここからは私見ですが、価格への言及がなかったことから、懸念点は費用対効果よりも、スピードにあると考えています」
「まず、事実からお伝えします。先週、クライアントと30分面談しました。その場でいただいた質問は、『機能の必須性』と『納期の短縮』の2点です。価格に関する質問はありませんでした。
……ここからは私見ですが、価格への言及がなかったことから、懸念点は費用対効果よりも、スピードにあると考えています」
この説明の違いは決定的です。前半は、誰が見ても変わらない「事実(ファクト)」のみ。後半に、それを踏まえた「意見(オピニオン)」を述べています。こうすることで、上司はまず現状を正確に把握でき、その上で部下の意見を採用するかどうかを冷静に判断できます。
「なるほど、価格の話が出なかったというのは重要な事実だね。君の読み通り、納期短縮のプランを作ってみよう」
このように建設的な議論ができるのは、土台となる「事実」が共有されているからです。
信頼される説明は「数字と固有名詞」でできている
この思考法を身につけるための、今日からできるシンプルなトレーニングがあります。
それは、会話から「形容詞」と「副詞」を追放し、「数字」と「固有名詞」に置き換えることです。
×「すごく増えました」 → ○「前月比で120%になりました」
×「たぶん大丈夫です」 → ○「過去のデータに基づくと、成功率は80%です」
×「早めにお願いします」 → ○「明日の15時までにお願いします」
×「たぶん大丈夫です」 → ○「過去のデータに基づくと、成功率は80%です」
×「早めにお願いします」 → ○「明日の15時までにお願いします」







