70年愛されてきた、「2輪の王様」スーパーカブ
ホンダ スーパーカブ。
長嶋が巨人軍でデビューし、関門トンネルが開通し、東京タワーが竣工した1958年。高度成長期の真っただ中に、初代スーパーカブ(以下、カブ)は登場した。
国や地域の交通事情に合わせて排気量や仕様を変えながら、スカート履きでもまたがることができるステップスルーのパッケージと、誰でも扱える簡単な操作は70年近くも変わることなく改良を積み上げてきた。
シリーズ累計生産台数は、2017年時点で1億台を突破。2024年には1億1000万台を超え、現在も着々と「2輪世界一」の記録を更新し続けている。まさしく2輪の王様だ。
地味で目立たないバイクが、どうしてこんなに長く愛され続けるのか。
扱いやすさ、疲れにくさ、驚異の耐久性に整備性、更には新聞配達からそば屋の出前(最近はウーバーイーツか)まで、用途を限定しない積載性。数え上げたら切りがない。パワー競争には参加せず、「移動に必要なエネルギーの最小化」を磨き上げてきた。だから燃費もピカイチだ。「本田宗一郎氏の思想が残る、最後のホンダ車」と言ったら言い過ぎだろうか。
2012年にフルモデルチェンジし、2022年にマイナーチェンジされた「スーパーカブ110」(写真左)新基準原付として2025年に登場した「スーパーカブ110 Lite」(写真右) Photo by A.T.
ホンダのつくるバイク、5台に1台がスーパーカブ
“カブが生む規模感”は、ホンダという企業の二輪事業の厚みにもつながっている。
ホンダは昨年5月に二輪車累計生産台数が5億台に到達した(なんと、ホンダが造るバイクのうち、5台に1台以上がカブということだ!)。巨大な生産エコシステムの中で、カブは単なる一車種ではなく、ホンダの2輪が「生活インフラ」に入り込むための中心的なピースであり続けた。
新基準原付であるスーパーカブ110Liteのエンジンはスーパーカブ110と同じだが、設定変更で出力が下げられている Photo by A.T.







