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庶民向けスーパーの鮮魚コーナーを見れば、棚に並んでいるのは輸入魚ばかり。国産の魚は一体どこへ行ってしまったのだろうか。データを見ると、日本の漁獲量は年々減少している。原因を専門家が解説する。※本稿は、内海和彦『海のさかなの正しいトリセツ』(日本評論社)の一部を抜粋・編集したものです。
違和感を覚えた
漁業者の獲りすぎ論
私が水産庁を退職し民間団体の専務をしていた当時のことです。朝、出勤途上に新聞を読んでいて「さて、困った」とため息をついてしまいました。
読んでいた某紙には月に1度、さまざまなマスコミの評論や論述を評価する「論壇時評」なる紙面があり、そのなかにその月に報道された論述の中から選考委員が3点を選び、“読むべき評論”として掲載されるコーナーがあるのですが、この選考委員のお1人で社会経済分野では若手の精鋭ともいえる学者の方が、水産関係の記事をその1つにあげておられたのです。
その記事は「『魚が獲れない』は世界で日本だけという衝撃事実」と銘打った記事で、世界的には漁獲量が伸びているなかで、日本だけが漁獲量を減らしており、その主たる原因は、「海水温の上昇」や「外国漁船による漁獲」、「クジラによる捕食」などではなく「漁業者による獲りすぎ」によるものであり、日本の水産資源を復活させるためには、(数量管理に基づき)魚の漁獲枠を決め、これを漁業者や漁船ごとに配分する方式をとる必要がある、と結論づけている記事でした。







