そして、その藻が固定した炭素が地中に堆積し、やがて石炭や石油になった。つまり、今私たちが燃やしている地下資源は、遠い過去の藻の活動の結果なんです。
私たちは今、その「過去の貯金」を切り崩して社会を回していますが、それでは持続しません。ですから、「現在の藻」の光合成の力を活用し、リアルタイムで循環する仕組みを作るしかないと考えたのです。
植物も光合成をしますが、藻は単位面積当たりの生産性が圧倒的に高い。森林よりも、トウモロコシよりも、はるかに高い光合成効率を持っています。
しかも、土を必要としない。地球上で農業に適した土地は10%程度しかありませんが、藻は農業適地でなくても生産できる。水を大量に使うイメージがあるかと思いますが、その水は循環させられるので、使用量はむしろ農業よりも抑えられます。
つまり、土地制約と水制約を受けにくい形で、太陽エネルギーを直接炭素に変換できる仕組みが「藻」なのです。
実は、藻類を培養して物質やエネルギーを取り出す試みは我々が最初に始めたことではありません。戦時中の日本でも研究されていましたし、アメリカでも何度もブームが起き、多数の藻類ベンチャーが挑戦しました。
しかし、技術的・経済的な壁を越えられずに多くのベンチャーが消えていきました。
高コストの無菌培養ではなく
生態系として藻の培養を管理する
――その壁を越えられると?
藤田 これまで失敗してきた理由の一つは、藻の培養を「無菌でやろう」としたことです。
当社は藻を無菌状態で管理することなく、屋外で開放系のビニールバッグで育てています。藻を育てる容器の上部は閉じていないため、どんどん他の藻や雑菌が入ってきます。
かつてアメリカで失敗した藻類のベンチャーは、藻類の培養において雑菌を徹底して排除しようとしたために、設備投資や運用コストがどんどん膨らんでしまいました。







