新卒か転職かによっても異なりますが、就職したいと思うのは、高年収、充実した福利厚生、安定したキャリア、自身の専門性が生かされることなどが期待できる会社でしょう。このような「質の高い報酬」を手にするためには、新卒採用や若年層の転職市場では、現実には「高学歴」が等価交換の対価になっています。このバランスが保たれているからこそ、私たちは社会の公平性を信じることができている面があるのです。
ここで「学歴不問」の言葉にポジティブに反応したAさんの事例を紹介します。
「学歴不問」の裏に隠されたブラックな環境~Aさんの場合
Aさん(24歳・男性)は、都内の私立大学(いわゆるFランク大学)を卒業し飲食業に就職しましたが、24歳のときに一念発起して転職活動を始めました。そこで目に飛び込んできたのが、有名不動産会社の「学歴不問・実力主義」を掲げる求人広告でした。説明会に参加したAさんは、人事担当者や先輩社員から次のような話を聞いたそうです。
・手厚い支援:国家資格である宅建(正式名称は宅地建物取引士。不動産業では各事務所に5人に1人以上の割合で宅建士の設置が義務づけられるため、資格手当の対象になることが多い)取得を全面的にバックアップし、合格時にはお祝い金が出て、資格手当が月5000円ほど加算される。
・圧倒的なインセンティブ:固定給とは別に、契約1件ごとに高額の報奨金(歩合制)が支給される。
・20代で年収1000万円オーバー:学歴に関係なく、20代後半でタワーマンション(タワマン)に住む先輩も大勢いる。
・圧倒的なインセンティブ:固定給とは別に、契約1件ごとに高額の報奨金(歩合制)が支給される。
・20代で年収1000万円オーバー:学歴に関係なく、20代後半でタワーマンション(タワマン)に住む先輩も大勢いる。
「この会社こそ、学歴や経歴を問わず、これからの努力を正当に評価してくれるところだ」と思ったAさんは、「人生逆転」の切符が手に入るかもしれないと期待に胸が躍ったそうです。その後、2回の面接と簡単な筆記試験をクリアし、早々に入社が決まりました。
しかし、入社後に彼を待っていたのは、学歴不問という名の「大量採用・大量離職」を前提とした回転ドアのような組織であり、求人票や説明会の話とは食い違うことばかりでした。







