代わりのフィルターは、「論理的思考力」や「ハングリー精神」になるでしょう。恵まれない環境や失敗を経験しながらも自力で這い上がってきた人材は、ビジネス現場でのトラブルにも強く、海外や地方で支店や工場を立ち上げるような力強さを発揮することもあります。企業は、学歴という「ブランド」の代わりに、「折れない心(レジリエンス)」を等価交換の対価と見ています。

4.【数合わせ】大量採用・使い捨て型:ダークサイドの等価交換

 事例でご紹介した、最も警戒すべき「学歴不問」です。離職率が異常に高く、常に人手不足であるため、選り好みをしている余裕がありません。誰でもいいから、即日働ける人材が欲しいのです。最初から1年以内に半分以上は辞めていくだろうと予測して採用していることから、代わりのフィルターは「体力」や「従順さ」となります。

 学歴を問わないのは門戸を広げているのではなく、「使い捨ての駒の分母を増やしている」に過ぎません。高額なインセンティブや「学歴不問で年収1000万円」というキラキラした言葉は、過酷な労働環境という猛毒を飲み込ませるための糖衣(シュガーコート)です。ここでは、「学歴不問」は「使い捨ての免罪符」として機能しています。

「学歴不問」を見極めるための視点

 求職している人は、以上の4段階のどのフェーズの「学歴不問」なのか、冷静に分析できるようになることが大切です。ポジティブな1~3も、決して「楽」なわけではなく、学歴とは別の「鋭い何か」を求められているという視点から考えてみるとよいでしょう。

「学歴不問」という言葉は、応募者にとって「チャンス」であると同時に、「言い訳ができない土俵」に立たされることでもあります。「学歴がないから落とされた」という言い訳を奪われ、純粋に「あなたという人間」の価値が査定されることにもなります。

 本記事が、良い学歴不問と悪い学歴不問を見分ける一助になれば幸いです。