あまり薬が効かず、あるときランニングが効果的だと偶然気づいて回復した先輩もいます。

 和田さんも、日光を浴びると“幸せホルモン”のセロトニンが分泌されやすくなると言っていましたが、ランニングがそのきっかけになったのかもしれません。

 また「眠くならない、うつ病によい薬が出たので、迷わず受診して、とっとと治すべき」と主張する医師もいれば、いろいろな薬やクリニックを試したのに完治しない知人もいます。どんな治療がよいかは十人十色だと思います。

 最後に、うつっぽくなった時に私が実際にやって効果のあった対処法をひとつ紹介しておきたいと思います。

 私は中学生の頃からずっと低血圧で、朝目覚めてから頭が起きるまでのブルーな気持ちを克服できずに半世紀を生きてきました。

 ストレスで眠れない日々、早朝覚醒も何度となく経験していますし、睡眠導入剤も常備しています。本の執筆で無意識に歯を食いしばった結果、20回以上歯を折り、すでに奥歯4本はインプラントです。

「自分をいたわる」ための
たった30秒の習慣とは

 ところが、あるとき知人の臨床心理士から「自分をいたわる」「自分の歩んできた道を愛おしむ」ことをすすめられました。半信半疑で試すと、ブルーな気持ちを抑え込めたのです。

 目覚めてブルーな気持ちにスイッチが入りそうな瞬間に、「これまでの自分の人生の喜怒哀楽をいたわる」思考に切り替えるだけです。

 こっぱずかしい話ですが、ベッドで目覚め、ブルーな気持ちになった瞬間に「お前はホントよくやった!」「よくぞここまでやり遂げた!」と自分に声をかけたのです。具体的事実の有無などはどうでもよくて、いたわりの声をかけることを優先させるのがミソでした。

 時々、小さな成功体験が頭に浮かんだ時は、その体験をなぞり、「オレってすごい!」と自分を称え、自分の歩んできた道を全面肯定しました。

「自分をいたわる」というボキャブラリーなど自分の中にありませんでした。むしろ「自分をいためつける」ことが成長につながるということを信じて疑いませんでした。