ですから、これまでと真逆の思考パターンとなるので、おそるおそるではありましたが、自分なりに「自分をいたわる」「自分の歩んできた道を愛おしむ」という言葉と思考を頭の中で繰り返しました。頭の中でそのイメージを描こうとしたといってもいいでしょう。

 ベッドからガッツポーズを突き出したこともありました。

「できなかった5%」ではなく
「できた95%」に目を向ける

 昭和に育った世代は、部活でも仕事でも、常に目標を達成できたか、できなかったかを気にして生きてきました。「できなかった」ことを克服するのが次の目標、そんな生き方が当たり前でした。

 たとえば、100の目標に対し、95%の達成率だとしたら、「達成できなかった」という烙印が押されます。結果がすべてだからです。そして、できなかった要因を必死で分析するのです。

 95%を達成した「自分をねぎらう」なんて発想はありません。そんなことをしたら、むしろ「自分に甘い」と罪悪感に苛まれる……身に覚えがありませんか?

 そこで提案です。定年5年前から、自分の歩んできた道を全面肯定しましょう。挫折も成功も喜怒哀楽も清濁(せいだく)併せ呑み、自分をねぎらってあげようではありませんか。

 そもそも「できなかった」理由を100個並べたところで、できるようになるどころか意欲さえ失いそうで、むしろ悪影響でしょう。できなかった5%にフォーカスするのではなく、できた95%に目を向け、たとえそれが65%であっても、できた自分をほめることが、心の健康を維持するためには必要です。

 もう成長期ではありませんので、そのままの自分でいいじゃないですか。