イランのドローン攻撃力は依然としてある
この戦争はすでに米軍兵士にも死者を出したし、石油、天然ガス、肥料価格の急騰、米国でガソリン価格の過去最高を招いている。さらに数百億ドルに上る初期の軍事費用が発生し、一方で米国が他の地域で戦力を投入することが困難になっている。
イランの軍事力は低下しているとみられるものの、安価で数も多く、撃墜が困難な「シャヘド」などのドローンを用いて、湾岸地域の標的を攻撃する能力は依然として保持している。
この状況下でトランプにとって「最も無難な」行動は、できるだけ早く勝利宣言をしてしまうことだろう。当初の期待はイラン現政権を倒し、米国が協力できる政府(ベネズエラ2.0のような)を樹立することだった。
しかし、現在かかっているコストを考えると、期待値を再設定すべきだ。そして、イランはもはや活発な核開発計画や弾道ミサイルの拡張を行っていないと見られるため、今回はより強い立場から外交交渉を再開することを提案すればいい。
ただしこのシナリオにはマイナス面もある。イスラム共同体はドローンを発射し続け、代理勢力をも動員して、対象となる市民や社会経済を脅かす可能性がある。そしてイラン現政権が自国民を抑圧する能力は衰えることはないだろう。そのため国内で紛争が起きれば、より多くの民間人の死者が出るだろう。
トランプの誤算は…イラン政権交代は難しい
トランプ氏は戦争の期間の見通しについて、最初は4週間、次に8週間とした。ただし、米国には8週間もの爆撃強度を維持する弾薬はない。彼はまた、無条件降伏(12日間戦争の時と同様)とイランの新指導部に対する拒否権を要求した。つまり政権交代の要求であり、前例がないことだ。
一方で、軍事攻撃を大幅に拡大する計画も立て、米国軍特殊部隊はすでに少なくとも一度は標的措置のために作戦地域に投入されているようだ。
トランプ氏の誤算は、いずれにしてもイランの政権交代につながらない可能性が高いことだ。政権交代には、政府に対して蜂起する能力と準備のある武装反体制派か、既存の指導部を排除する米国兵による大規模な地上部隊の派遣の、いずれかが必要となる。しかし、現在のイランにそのような勢力は存在しないし、トランプ氏は地上部隊を派遣する意思はない。







