複数の未来シナリオがどちらも起きる可能性があるという前提で、それぞれの未来から逆算した戦略案を作っておいて、不確実な未来に備える考え方です。
この手法を編み出したことでオイルショックで世界中の企業が大幅な減益に見舞われる中で、シェルは業績を大きく伸ばしたことで注目されました。
さて、そのシナリオとしては、今回は上記のように2つのシナリオだけを考えればいいという点で、一般の投資家の方にとっては扱いやすい「不確実な未来」と言えるでしょう。
この記事ではまずシナリオを整理したうえで、記事の後半で投資戦略の考え方について説明したいと思います。
では2つのシナリオの下で未来はどう変わるのでしょうか?
シナリオ1
原油不足、原油高の未来
日本経済としては悪い未来になります。政府が備蓄原油を放出するなどあらゆる手段をとっても結局はガソリン価格が上昇します。世界の2割の生産能力を占めるカタールのLNG輸出が止まることで火力発電に必要なLNGのスポット価格も上昇し、今年の夏以降、電気代がさらに高騰することになります。
それに伴う経済災害としては円安の進行と長期金利の上昇が起きる可能性が高くなります。すると食料品を中心に輸入物価も上昇します。つまり日本経済は不況になります。
このシナリオではおそらくEUとアジアも同じ被害を受けるでしょう。唯一例外になるのが産油国のアメリカですが、それでも世界不況に巻き込まれますからアメリカの株式市場も軟調な展開になることは避けられないでしょう。
シナリオ2
エネルギー危機が回避される未来
何らかの政治的な妥協が生まれてホルムズ海峡封鎖が短期で終わった場合には、原油価格は以前のレベルに戻っていくことになります。過去にイラク戦争やウクライナ侵攻の半年後に起きたことと同じような経済シナリオを想定できるようになります。
このシナリオでは湾岸地域の紛争はこの先も長引くのですが、影響は当事者間にとどまることになります。ですから日本経済に関しては2月27日のイラン攻撃前の前提に立ち戻って経済を考えればよいことになります。つまり高市内閣の責任ある積極財政を前提に日経平均は上昇基調に戻るということです。
ただ安心しきることはできません。最高裁で違法とされたトランプ関税が今後どうなるのか?アンソロピックショック後のAI投資がどう続くのか?そして日本経済が本当に復活するのか?投資家としてウォッチすべき事柄はたくさんあります。
さて、この2つのシナリオがどちらも同じくらいの確率で起きる可能性があるとしたら、投資家としてはどのような戦略をとるべきでしょうか?







