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2026年の地価公示で、日本の土地価格はバブル崩壊後で最も高い水準を付けた。円安で海外の投資ファンドも積極的に日本の不動産を狙っている。価格の上昇はいつまで続くのか。今すぐではないにせよ、いずれ調整局面を迎える。イラン戦争の影響による景気減速と物価上昇の同時進行など、下方リスク要因は増えている。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
2026年地価公示の衝撃
東京都の地価は8.4%上昇
ここ数年、わが国の地価上昇が鮮明だ。国土交通省の公示価格によると、2026年1月1日時点で、東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏で土地の価格は平均4.6%上昇した。また、大都市圏以外でも、都市近郊地域を中心に土地価格の上昇が目立った。
主な要因として、日本経済はそれなりに堅調であることに加え、企業の業績はしっかりとしていることがある。また、人手不足もあり、民間企業の賃上げ傾向も鮮明化している。特に、若年層の賃上げは顕著で、不動産の購入意欲が高まっていることもありそうだ。
さらに、金融の状況はカネ余りで、実質金利はマイナス圏にある。相対的に予想収益率の高い、不動産分野に資金は向かいやすくなっている。
地域別に見ると、政治・経済の中心地である東京都の地価は8.4%上昇した。オフィスやマンション需要、海外からの投資資金の流入などで価格の上昇は顕著だ。さらに近郊の千葉、埼玉、神奈川県でも地価が上昇した。
不動産価格の上昇で、都内での不動産・住宅の取得がいっそう困難になっている。価格の高い都内を避ける流れで、近郊エリアの不動産需要が大きく上昇している。さらに茨城、栃木、群馬県にも影響は波及しつつある。
ただ、不動産価格の上昇が永久に続くことはないはずだ。景気の後退などによって、どこかの時点で、国内の不動産価格に下押し圧力がかかるリスクはあるだろう。
トランプ氏のイラン攻撃、中東情勢の混迷で原油が高騰していることなどを考えると、世界の経済・金融市場は必ずしも楽観できない。マーケットが減速すれば、不動産価格の上昇は反転することも想定される。頭に入れておくべきリスクとは何か。







