投資家は株に加えて不動産も積極的
円安で2.4兆円は外国人による投資か
26年の地価公示によると、わが国の全用途の土地価格は前年比2.8%上昇した。バブル崩壊後の1992年以来で最も高い水準だ。
地価上昇の主な要因として、景気の回復もあり投資需要が増えたことが挙げられる。近年、景気はそれなりの安定を維持した。インフレも進行した。個人や機関投資家は、株式に加え不動産も積極的にポートフォリオに組み入れるようになっている。
現在、国内の物価上昇率は、日銀の政策金利の水準を上回っている。実質金利(名目金利マイナス物価上昇率)は依然マイナスだ。銀行は、利ザヤ確保に貸し出しを増す努力をしている。わが国全体として、投資資金はだぶつき気味だ。不動産分野に資金が流入しやすい環境が整っている。
そうした中で、海外の投資ファンドも、積極的に日本の不動産取得を狙っている。円安が進行した分、海外投資家はわが国の不動産取得コストを抑えられる。昨年、10億円以上の不動産投資は、前年比31%増の6.5兆円だった。うち2.4兆円は外国人による投資だったとみられる。投資の6割が都内など首都圏に集中した。
また、一般家計部門でも、通勤、通学に便利な都市部に住宅(特にマンション)を購入する人は増えた。特に、都内のマンション販売価格は上昇が明らかだ。平均値に続き、中央値でもマンションの平均価格は1億円を超えた。
人材確保などを目的に、東京駅などターミナル駅周辺にオフィスを構える企業も増えている。福岡県では訪日外国人(インバウンド)需要の増加が商業用地などの価格を押し上げた。
需要が伸びる一方で供給制約は深刻化した。建設、物流分野では人手不足が発生している。首都圏では、マンション工期が10年前と比較して、3割程度も長期化したようだ。
埼玉県、千葉県、神奈川県の住宅地の価格は、それぞれ前年比で2.0%、4.6%、3.4%上昇した。都心にアクセスしやすい市町村、新幹線停車駅の周辺でも住宅地の価格上昇率は相対的に高かった。







