また、慢性炎症が老化を進めていることも注目されています。老化した細胞からは、SASP因子とよばれる慢性炎症を引き起こす物質が分泌されます。これが、全身の細胞に波及し、さらなる老化細胞を増やします。
慢性炎症は、内臓脂肪やリーキーガット(編集部注/細胞と細胞の間が緩んでバリアの機能が損なわれた状態)と同じように、老化とともに生じる様々な病気、例えば動脈硬化や認知症、がんなどの発症につながると考えられています。
健康寿命を伸ばしたうえに若返る
「日々の運動」は万能薬
これら老化を少しでも遅らせる、つまりアンチエイジングに効果があるのが運動習慣です。運動によって、テロメアの短縮や酸化ストレス、慢性炎症を軽減できるのです。
運動とテロメアの関係を調べた研究をまとめた韓国のグループによると、運動習慣が半年以上ある人は、テロメアの短縮を緩やかにできることを結論付けています。
また運動は、筋肉をはじめ、血液や全身の臓器で抗酸化作用を持つタンパク質を増やして抗酸化能力を高めます。そして、血糖や血中脂質の上昇を防ぎ、体脂肪を減量することでアディポカイン(編集部注/悪玉ホルモンの一種)による慢性炎症を防ぐ抗炎症効果もあります。
抗酸化能力や抗炎症能力を高めることがテロメアの短縮を防ぐことにも関係しており、これらが一体となってアンチエイジング効果を得ることができるのです。
体の中だけでなく、見た目のアンチエイジングも気になるところでしょう。
肌の張りは、コラーゲンというタンパク質が水分を保持することで保たれます。加齢によって皮膚コラーゲン量が失われると、肌の張りがなくなってたるみやしわの原因になり、老けてみえます。
このような肌の老化を抑えるのも運動です。血流が良くなることで、肌に酸素や栄養素を届けるとともに、老廃物を除去する効果があるのです。また、筋トレをすると成長ホルモンが分泌され、コラーゲンの合成を高めます。筋トレが美容分野で取り上げられるようになったのはこのためです。
また、マイオカイン(編集部注/近年発見された、筋肉が分泌するホルモン。50種余りのマイオカインが、健康によい影響を与える)の効果も注目されています。コラーゲンを合成したり、しみの原因となるメラニン色素を分解したりするマイオカインが報告されています。







