伊藤忠商事が7年連続1位
大手金融人気も復調の兆し
伊藤忠商事が7年連続で後半戦調査の1位となったほか、丸紅(2位)、三井物産(3位)、住友商事(4位)、三菱商事(5位)と総合商社がトップ5を独占した。
総合商社は幅広い事業領域で着実に収益機会を捉えており、資源価格下落の影響を受けたものの食料など非資源分野は堅調に推移。業績は依然として高い水準を維持している。事業領域の広さや世界を舞台に活躍する商社パーソンのイメージに対する憧れも根強く、就職マーケットにおいて引き続き不動の学生人気を誇っている。
1位の伊藤忠商事は、「利は川下にあり」のスローガンの下、市況に振り回されないポートフォリオを構築してきた。資源分野は落ち込んだが、強みの食料や繊維、ファミリーマートを担う第8カンパニーなど非資源分野が好調で、2025年4~12月期連結決算(国際会計基準)は増益。26年3月期の通期純利益はトップを奪還する見込みだ。朝型フレックスタイム制度をはじめとした先進的な「働き方改革」への取り組みに加え、全社員を対象とした固定給の引き上げや、業績に応じた年収の大幅な引き上げを発表するなど、社員の待遇改善にも積極的だ。
2位の丸紅も、食料・農業資材や非資源分野(金融・リース・不動産)が堅調で、銅鉱山事業の改善も業績に寄与。26年3月期連結業績予想の当期利益を上方修正し、2期連続の最高益更新を見込む。Summer・Autumn・Winterの計3回にわたり、「3daysインターンシップ」を開催。実施期間を従来の1日から3日間に増やしたほか、「AIによるケース面接」で各事業分野における取り組みについて理解を深めた上で、ケース面接に出題される分野と連動した事業分野の課題に挑戦するプログラムが好評だ。
大手金融機関は三井住友銀行(6位)、三菱UFJ信託銀行(8位)、大和証券グループ(9位)、野村證券(10位)とトップ10に4社がランクインした。
メガバンクはマイナス金利解除以降の一連の利上げにより、調達金利と貸出金利の差である利ざやが改善。底堅い企業の資金需要を背景に26年3月期通期の連結純利益は、そろって最高益を更新する見込みだ。採用予定数が増加傾向であることに加え、長年据え置いていた初任給の大幅な引き上げや、26年度には基本給を底上げするベースアップが最高水準となる見通しで、若手社員の待遇改善が注目を集め人気復調の兆しを見せている。
6位の三井住友銀行は、26年1月から実力本位・専門性重視の評価軸を打ち出し、自律的にキャリアと働き方を選べる仕組みを目指す新人事制度「ステージ」を導入。「挑戦者よ、世界を揺らせ」を採用スローガンに、採用ホームページやイベントに「挑戦者」である先輩社員が多数登場。従来の「安定・堅実」といった銀行のイメージから「先進性」や「若手でも挑戦できる金融プロフェッショナル集団」というイメージが学生に定着しつつある。27年新卒採用から集団討論の録画データを基に論理的思考力などをスコア化するAI選考を取り入れることも話題となった。
金融教育の義務化や新NISA(少額投資非課税制度)の認知拡大により、学生にとって以前より身近な存在となった大手証券の人気も向上している。日経平均株価は2月に5万8000円台を付け、史上最高値を更新。M&A(企業の合併・買収)の増加により投資銀行事業も伸びており業績は絶好調だ。
大和証券グループ(9位)の25年4~12月期の連結決算は、株高の影響で個人などからの資産預入額、売上高に当たる純営業収益は過去最高を更新。創業100周年を迎え、16年ぶりにトップ10に返り咲いた野村證券(10位)も26年3月期の純利益は2年連続の最高益更新をうかがう。
このほかトップ10には大手不動産デベロッパーの森ビル(7位)がランクインした。








