独身寮時代からのゲン担ぎで
初の大役を白星で飾る
2024年3月29日金曜日、東京ドームでの開幕の阪神戦。前の晩や当日の朝も通常通りに過ごせましたが、普段と違う感情があったのはたしかです。
登板日は縁起を担いでのカツ丼や、胃もたれのしない蕎麦を食べたりしますが、記念すべき「初の開幕投手」の朝食は「鯛の尾頭付き」でした。巨人の独身寮が毎年やってくれるしきたりを、一人暮らしでも引き継いでやってみました。
開幕戦は「単なる143分の1」と言われる一方で、「143分の1以上の大切さ」があります。最初が肝心です。幸先よく勝って軌道に乗れば、後に続くピッチャーの気も楽になると思います。僕が勝てなければ、その後の142試合、どうなるんだろうかとも考えました。いろいろな感情が交錯したのです。
結果は6イニングをちょうど100球。4安打2四球5奪三振の無失点に抑えました。梶谷隆幸外野手のダイビングキャッチや2ランに援護されました。
僕の降板後は、西舘勇陽投手にバトンを渡し、中川皓太投手、大勢投手のリレーで、4対0。24年ペナントレースの巨人1勝目を収めることができたのです。
2ケタ勝利の壁に弾き返された
末に掴んだ3年連続12勝
野球の勝敗は、もちろんすべて勝つのが一番ですが、そこには運もありますし、バックの援護点との兼ね合いもあります。しかし、巨人で開幕投手を任されるようなピッチャーは負けなければいいのです。
「クオリティ・スタートかつ援護点0」だったのがたしかに2024年は5試合ありました。しかし、僕が1点も取られていなければ、そもそも負けることはなかったのです。
だから、それを「バックが打ってくれていたらなぁ」と恨めしく思ったり、悔やむようでは、好成績が残せるとは僕にはまったく考えられないのです(※注3)。
※注3 2024年、開幕投手・戸郷の先発試合は26試合12勝8敗。負け試合や勝敗がつかなかった試合の中でも、特に「クオリティ・スタート(先発6イニングを自責点3以内)に抑え、しかも味方の援護が0点」というのが5試合もあった。戸郷が先発する金曜日の場合、対戦ピッチャーもエース級のことがほとんどで、味方もなかなか簡単に点を取れない。「机上の計算」として、単純に「この5試合」を勝ち星に転換した場合、12勝8敗が「17勝3敗」となる。







