写真はイメージです Photo:PIXTA
海外SNSで、1羽のペンギンが群れを離れ「死に向かうように歩く」映像がミーム化し、共感を集めている。「ニヒリスト・ペンギン」と呼ばれるこの存在は、なぜ現代人の心をここまでつかむのか。そこには、孤独や無力感を抱えながらも、それを笑いに変換して受け止めるネット時代特有の感性が見えてくる。20年前の映像がいま再びバズる理由を読み解く。(フリーライター 武藤弘樹)
突如群れを離れるペンギン…なぜ?
ドキュメンタリー映画のワンシーン
今、海外を中心に「ニヒリスト・ペンギン(Nihilist Penguin、あるいはlonesome penguinとも)」というちょっと大人向けのミームが話題となっている。
ドキュメンタリー映画「エンカウンターズ・アット・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド(Encounters at the End of the World)」で、1羽のペンギンが突如群れを離れてほぼ確実に死が待つ、山に向かって歩いていく。その様子が現代人の心を打って世界各国で取り沙汰されていて、「ニヒリスト・ペンギン」と呼ばれているのである。
2007年のヴェルナー・ヘルツォーク監督のドキュメンタリー映画で、くだんのペンギンのワンシーンを切り取ったものがいくつかのSNSにアップされている。これが今年初頭から注目を集め始めた。
国内ではあまり話題になっていないが海外ではかなり認知度の高いミームとして定着しつつあって、ホワイトハウス公式が「ニヒリストペンギンとトランプ大統領が並んで、グリーンランド国旗が立つ雪山に向かって歩いていくAI生成画像」を投稿するくらいには、広く知られるミームである。
20年近く前の素材が今になってバズったのには何か具体的な出来事や事件があったわけではなかった。2010年には一部ネットで知られていてじわじわと広まっていたが、今年映像を再編集したものがバズり一気に知られたのである。







