このような形で「写真」によってさまざまなプロパガンダを行っているホワイトハウスが、「この高市首相が踊っているカット、躍動感があっていい写真だからトップに置こう」などとなんの意図もなく公開するとは考えにくい。

 では、これはどんなプロパガンダを狙っているのか。結論から先に言えば、中国・習近平主席に対して「我々は日本を完全にコントロール下に置いている」ということを暗に伝えてマウントを取りにきているのではないかと思っている。

 ご存じのように、アメリカと中国はビミョーな関係だ。互いに経済的に依存している関係ということもあり「良好な協力関係を結ぶ」と会談を重ねながらも、今回のイラン戦争で再び摩擦も生まれている。

 トランプ大統領は5月14日から5月15日に中国を訪れ、習近平国家主席と会談する予定となっているが、そこで「日本との関係修復の橋渡し」をちらつかせて、ディールを有利にもっていく狙いがある。今回の日米首脳会談でトランプ大統領は高市首相にこんなことを言っているからだ。

「中国で習主席と会談する際、『日本の良さ』を話すつもりだ」

 では、一体どんな「日本の良さ」を伝えるのか。トランプ大統領のこれまでのやり口を考えれば、「日本の高市首相はオレの言うことだったらなんでも聞く、ものわかりのいい人間だ」という“使い勝手の良さ”ではないだろうか。

 そんなトランプ節を補強するのが、あの「踊る高市首相」写真である。

「踊る高市首相」写真がトップに掲載された夕食会のフォトギャラリーをパソコンで見ると、この写真の横にはトランプ大統領と高市首相がにこやかに握手をしている写真が並ぶ。パッと見ると、トランプ大統領と親密になれて「やったー」と大喜びしているような「ストーリー」が浮かぶ。

 また、このフォトギャラリーには13枚の写真が掲載されているが、その中で一番下に、他の写真よりも2〜3倍の大きさのものがある。それはトランプ大統領がにこやかに右手を上げて、それに対しておじぎしている高市首相のバックショットを捉えた写真である。

手を振るトランプ大統領に頭を下げてお辞儀をする高市首相(ホワイトハウスのホームページより)手を振るトランプ大統領に頭を下げてお辞儀をする高市首相 ※ホワイトハウスが公開した高市首相の他の写真は記事末にまとめて掲載しています。(ホワイトハウスのホームページより)

 2人で並んでスピーチをしたり、握手を交わしたりというシーンが山ほどあるのになぜホワイトハウスはこんな“挨拶写真”をデカデカと掲載しているのか。