単なる経験は、記憶に定着しにくいもの。しかし、「そこから何を得た?」と問われると、脳はエピソード記憶を検索し、教訓を引き出そうとフル回転します。城少年の脳内では、想起(思い出す)、選別(重要なものを選ぶ)、意味づけする、というプロセスが毎日のように繰り返されていました。

 さらに重要なのは、「自分事」として考えさせられる問いかけをされていたことです。これにより、自分自身を客観視する「メタ認知」の能力が高まったと考えられます。

元サッカー日本代表を育てた「父と子のお風呂場トレーニング」がスゴかった

サッカーでも習慣化された
仮説と検証を繰り返す練習とは?

 この入浴時のトレーニングは、サッカーの練習にも大きな影響を与えました。城さんの練習は、「10本中5本はここに蹴る」と数値を決め、失敗したら即座に「なぜ外れた? 重心が後ろだったか?」と分析し、「次は重心を前にしよう」と仮説と検証を行っていたとのこと。

 これは、自ら課題を設定し工夫する「目的的練習」と呼ばれる、高度なトレーニングです。 彼はチームメイトの利き足を把握し、ボールの動きを予測していたそうです。コーチに言われたからではなく、自ら思考し、修正する習慣があったからこそ、プロの世界で圧倒的な結果を残す技術を獲得できたのです。