私たちは、「他人を変えることはできない」と理屈ではわかっていても、管理職という責任ある立場になったとたんに、自分の意に反する部下を変えようとしがちです。しかし、多くの場合、部下から見れば大きなお世話です。簡単に変えようとはしません。

 したがって、「視野を広げてもらおう」とBさんを変えようとするのではなく、周りへの関心が薄いBさんの特性を受け入れた上で、対策を考えるべきなのです。

 Aさんが本当に立てるべき問いは、「そのようなBさんに、もっと貢献してもらうにはどうしたらよいか?」です。Bさんの特性を踏まえた上で、どのような役割や機会を与えればよいのかを考えるのです。

無関心な部下の行動が
明らかに変わってきた理由とは?

 しばらくして、その後のBさんについてAさんから話を聞きました。Bさんの、与えられた役割にはまじめに取り組むという特性に目をつけ、新人の教育担当を役割としてお願いしたそうです。

 結果は、思った以上に熱心にやってくれているとのこと。「新人時代の不安や苦労がわかるんです」と言いながら、これまで見せたことのないような表情で、嬉々として指導しているそうです。

「教えながらわかったのですが、マニュアルが古いので改訂しようと思います」と、初めてBさんから提案されたとき、Aさんは涙が出そうになったといいます。

 思い返せば、これまでもBさんは情報を独り占めにしたり、人から聞かれたことに答えようとしなかったりしたわけではなく、むしろ、頼まれごとに応えて感謝されたときは素直に喜んでいました。

 何に関心を持って何にハマるかは、人それぞれです。Bさんに仕事として新人教育という役割を与えられたことで、人の力になること、感謝されることへの貢献力が開花されたのでしょう。

チーム運営上の不都合をもたらす場合は
ルールで対応する

 人を自分の思い通りに変えることはできませんが、管理職として注意すべきこともあります。メンバーの特性が理由で、チーム運営上の不都合が生じている場合です。