特に重要なのが、テストステロンだ。男性ホルモンであるテストステロンは、睡眠と密接に関連し睡眠不足で低下することが知られている。特に重要なのは、睡眠の「長さ」だけでなく「深さ」だ。

 深い睡眠が十分に確保されないと、テストステロンの分泌リズムが乱れ、量そのものも低下しやすくなる。つまり、布団に入っている時間が長くても、睡眠が浅ければホルモンの回復は起こりにくい。

 しかも、深い睡眠が確保されない状態が続くと、分泌リズムが乱れやすくなる。「今日は忙しかったから、睡眠は後回し」という生活を続けていると、テストステロンを出すチャンスそのものを毎日削っていることになる。

睡眠時間「6時間前後」で
テストステロン分泌が明らかに低下

 ここで一つ、はっきりさせておきたい。

 40代以降の男性では、少なくとも7時間前後の睡眠が望ましいとする研究が多い。

 これは理想論ではない。睡眠時間が短くなるとテストステロンが低下する可能性が示されており、5時間睡眠では10~15%程度低下したという研究もある。

 さらに睡眠時間が慢性的に6時間前後の状態が続くと、ストレスホルモン(コルチゾール)が高い状態になりやすく、疲労感や集中力低下につながる可能性が指摘されている。

 これは一晩だけの話ではない。睡眠時間が慢性的に不足すると、この状態が“通常運転”として固定化され、本人が不調に気づきにくくなる。その結果、「以前より疲れやすい」「集中力が続かない」といった変化が、少しずつ進行していく。

 しかも厄介なのは、「本人が寝不足を自覚しにくい」点だ。慢性的な睡眠不足状態では、体がそれを“通常運転”と誤認してしまう。その結果、「自分は6時間で足りている」と感じてしまう。

 だが実際には、朝から疲れている、昼過ぎに集中力が落ちる、以前より判断が鈍くなるといいった変化が、静かに進行している。

 もう一つ、多くの人が間違えているのが、睡眠の優先順位だ。