◆アクションプラン(3)
配偶者の収入アップを図る

 配偶者がパートで働き、いわゆる「扶養内」にとどまっているなら、扶養から外れて「パート収入の壁」を超え、収入アップを図りたい。

 このアクションプランは、配偶者自身の理解と協力が欠かせない。それにはアクションプラン(1)の『「収入ダウンの崖」に落ちることを配偶者に伝える』ことがマストになる。

 家計の一大事なので、支出の削減のみならず、世帯の収入アップも試み、合わせ技で乗り切ろう。

◆アクションプラン(4)
その他の収入を確認する

 給与以外の収入も確認しよう。企業年金がある会社ならば、受取り開始は、60歳からなのか、65歳からなのか。60歳から受給できるなら、収入に含めて収支予算を立ててみる。

 企業型DC(確定拠出年金)を60歳で引き出して、生活費に充てるのか、それとも運用を続けるのか。十分に検討したい事項だ。

 民間保険会社の個人年金の契約はないだろうか。あるならば、ラッキー。60歳からの収入ダウン対策に使えるので、配偶者の分も含めて確認しよう。

◆アクションプラン(5)
ダメ元で「60歳以降の給与水準」を人事部に聞いてみる

 冒頭でも書いた通り、再雇用後の給与の金額は、定年直前まで開示されない企業が多数なのが現状だ。再雇用後のコースが複数あると、給与もそれに応じて異なるからだ。

 ダメ元で「大まかな“幅”でいいので、教えてもらえないか」と人事部に尋ねてみてはどうだろうか。とても聞ける雰囲気ではない、という会社のカルチャーなら、すでに再雇用を迎えた先輩を飲みに連れだして、「実際のところ」を聞き出してみる。もちろん、飲み代はこちら持ちだ。給与が下がっているから喜んで誘いに乗ってくるかもしれない(そういう人を誘うのがコツだ)。

 ちなみに、定年が65歳の会社なら、60歳で給与が下がるのは「役職定年」という理由付けなので、このような会社なら給与体系が決まっている。人事部に尋ねると、60歳以降の給与水準はあらかじめ開示されていることが多い。確認してみよう。

 私は、日常的に数多くのリタイアメントプランの相談を受けている。その中で痛感するのは、安心できる老後を迎えるには、「60代前半の収支改善」がもっとも重要だということ。

 65歳以降は、公的年金を受け取りながら「足りない分を少し働く」ことが可能だが、60代前半の収入ダウン期間は、給与で足りない分を他で働くことは困難だ。フルタイムで働いているので、他で働く時間は取れないし、副業を禁止している会社も多いからだ。

 60歳で迎える「収入ダウンの崖」は、家計の一大事と認識して、アクションプランに取り組んでいただきたい。