部下は敏感です。上司が今怒っているのは、本当に自分の成長のためなのか、それとも、ただ上司自身がイライラして、感情をぶつけているだけなのか。すぐに見抜きます。
感情で怒鳴りつけられたら、部下は反発するでしょう。でも、「笹の雪」の精神で、愛情を持って理屈で説得すれば、「自分のために言ってくれているんだ」と、素直に聞いてくれるものです。
その「愛情」や「人間性」は、叱る場面以外でも重要になってきます。
会社の土台を作ってくれた
アルバイトの女性への気持ち
社員を大事にするというのは、正社員だけを見ていればいいという話ではありません。当社には1万人以上のアルバイト・パートさんがいますが、その人たちへの「感謝」をどう示すかも大切にしています。
そのひとつとして、アルバイト・パートさんを対象にした「フレンド社員感謝の会」というのを、年に6回か7回に分けてやっています。会社の生い立ちについて私が話して、それが終わってからみんなで1杯飲んで、かくし芸をしたり歌を歌ったりして大騒ぎして、これをもう何十年も続けています。
これにはキッカケがあるんです。当社の店は24時間営業や深夜までやっている店が多い。主に深夜の時間帯、酔っ払い相手に10年も15年も働いて会社の土台を作ってくれたアルバイトの女性がいました。
最近姿が見えないなと思って、「あの人はどうしたの?」と聞いたら、「あ、辞めました」と。そういう恩人に対して、私が「ありがとう」の一言も言えないまま、いつの間にか辞めてしまっていた。
直接「いつもありがとう」と
言える機会を作りたかった
何十年も会社を支えてくれた人が、まるで「逃げるように」いなくなってしまう。その人に私は、ありがとうの一言も伝えられなかった。それがね、人間として、もう耐えられなかったんです。たまらなくなっちゃって。
それで、年に一度でもこういう「フレンド社員感謝の会」を開けば、私が直接「いつもありがとうね」と言える。辞めるときも、顔を合わせて挨拶(あいさつ)ができる。そういう場が必要だと思ったんです。
この「フレンド社員感謝の会」を始めたら、辞める人が自分の友達を「この会社いいよ」と紹介してくれるようになったんです。だから今、うちは人手不足の時代でも、パートさんやアルバイトさんが結構入ってきてくれています。愛情や感謝というのは、必ず伝わるものです。







