○○のせいで車が通れない…
ネパールでの移動は「命懸け」
2024年8月、私は経済的な豊かさを示す1人当たり国内総生産(GDP)が南アジアで最低水準にある「ネパール」を単身で訪れた(世界銀行データ参照)。
日本からの往復航空券の値段は、燃油サーチャージなど諸税込みで7万4000円ほど。ネパールでは6月~9月中旬ごろまでが雨季のため、比較的安価な航空券を手に入れることができる。
現地空港に到着後、私はタクシーに乗って、ヒマラヤ山脈が見える山地の村(ナガルコート)を目指した。
乗車から40分ほどたった頃、まるで栃木県日光市の「いろは坂」のような山道に突入したが……タクシーは早々に停車。何事かと思って窓の外を見ると、なんと土砂崩れにより、前方の道が塞がっているではないか!
筆者が実際に見た光景(提供=筆者)
車を降りると、30名くらいの人が(土砂の撤去作業をしている重機を見ながら)笑顔で談笑していた。私はこの光景を見たとき、「ネパール人って強いなぁ」「羨ましいなぁ」と心から感心した。
おそらくネパールでは、土砂崩れは日常茶飯事の出来事なのだろう。しかし、もしも日本人が同じ環境に置かれたらどうだろうか。通行止めという無駄な時間に対して、苛立ったりガッカリしたりするのではないか。
その一方で、日本の山道で当たり前のように見かける“コンクリートの壁”は、土砂崩れを防ぐための重要なインフラであり、この壁がないとこうも簡単に土砂崩れが発生してしまうこと……。なぎ倒された木々と撤去作業を行う重機を前に、私は“自然の脅威”やインフラが整備された“日本のすごさ”についても、改めて真剣に考えさせられた。
“時間の奴隷”になっていない現地の方からは、「お前は日本人か?」「なんでこの季節に来たんだ?」「この道はあと1時間くらい通れないぞ」「この先もデンジャラスだから気を付けろよ」と声をかけられた。私は「センキュー」を連呼しながら、タクシーの助手席に戻った。







