後方から激突されたとき
ドライバーが取ったワイルドな行動

 ダッカ市内ではアジア人や西洋人をほとんど見かけない。

 だからこそと言うべきか、私がリキシャに乗って渋滞にハマっていると、現地の方が手を振ってきたり、話しかけてくれたり……まるでSMAPの木村拓哉さんのような大人気アイドルにでもなったかのような扱いを受ける。

 ところがどっこい。私がニコニコしながら笑顔を振りまいていると、ある瞬間、ガクンと身体が前方に持っていかれた。

 どうやら後ろを走っていたリキシャに追突されたようだ。ぶつかってきた相手のドライバーは、右手をあげて謝るジェスチャーをしている。

 私のリキシャのドライバーは、後ろを振り返って「にらみ」をきかせた。そして、何事もなかったかのようにそのまま走り出した。

 もしも日本で同じことがあれば警察を呼ぶシーン。バングラデシュの事故処理、ワイルドすぎだろ……。ちなみにこの後、私のリキシャも前方のリキシャに激突。こちらのドライバーは謝ることなく、そもそも相手のドライバーはこちらを振り返ることもなく、そのまま走り去っていった。

まるでマリオカート。何でもありのバングラデシュの交通事情(提供=筆者)まるでマリオカート。何でもありのバングラデシュの交通事情(提供=筆者)

 ただしゴツンゴツンぶつかりまくるのは、リキシャだけでなく自動車も同じのようだ。

 その証拠に、街を走る多くの車には傷や凹みがあった。車の前方と後方に鉄パイプ(パイプバンパー)を装備している日本車(トヨタのプリウス)もよく見かけた。

 日本の常識がまったく通用しない、バングラデシュの交通事情。日本人が安心安全に移動するために、何か他の移動手段はないものか……。無い頭を使って、私が導き出した答えがあった。

「そうだ、鉄道に乗ろう」