若者人気のきっかけは
コロナ禍で増えたおうち時間
世代を超えて音楽の楽しみ方が広がることで、音楽市場全体の底上げが期待されているアナログレコード。サブスク世代の若者がレコードに触れるきっかけとなったのは、コロナ禍だったそう。
「コロナ禍で家にいる時間が増えたことで、音楽の聴き方そのものが変わったように思います。通勤中に聴いたり、作業BGMのように流して“ながら聴き”するものから、一つの趣味として楽しむものになった印象です。アナログ世代の僕にとって、レコードはお酒やおつまみを準備して、盤に針を落とす。そんな風に儀式のような感覚もあるくらいなので、若い人たちの中にもそうしたニーズが高まっているのかもしれません。とはいえ、街や店で流れてきた音楽をすぐに検索して聴く、そんな使い方ができるのはサブスクの特権でもあります」
レコードしか音楽を聴く手段がなかった頃と違い、手軽に楽しめるコンテンツがあふれている現代。レコードを通して一つのことに没入する体験は、若者にとって逆に新鮮な感覚だろう。
曲と曲の間の時間調節も含めて意図的に構成されているレコードは、一枚単位で聴くのが主流だ。一曲単位で聴くサブスクとは、はっきりとした楽しみ方の違いがあることが分かる。若者の人気の背景には、アナログレコードを気軽に楽しめる環境が整ってきたことも関係しているという。
「店舗よりもネットでアナログレコードを買う人が増えているというのは、関係者からもよく耳にします。また、昔はスピーカーやアンプ、プレイヤーを揃えると、20万円ほどするのが当たり前でしたが、今は2万円台で揃えることも可能です。CDショップのアナログ売り場には、レコードが今日から聴けるようなセットが売られていることもあり、手軽に始められるようになりましたね」
聴くことを前提とせず、コレクションとしてアナログレコードを購入する人もいるそう。
「一枚の絵のような感じで、アナログレコードのジャケットを飾る人もいます。CDに比べてサイズが大きいので、最近はアナログ盤のリリースを前提にジャケットを作成することも増えました。デザイナーの腕のみせどころです」







