さらに別の調査によると、小学校4年生から中学校3年生までの6年間における「仲間はずれ・無視・陰口」といった、暴力を伴わないいじめを常習的に行っている割合(加害経験率)は約36%で、被害経験率は約45%でした。また「ひどくぶつかる・叩く・蹴る」など、暴力を伴ういじめを常習的に行っている割合は7%で、被害経験率は13%でした(国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センター「いじめ追跡調査2016-2018 いじめQ&A」2021年7月)。
教員も葬式ごっこに加担した
中野富士見中学いじめ自殺事件
学校におけるいじめは、1980年代前半からマスコミ報道が増えてきて、85年には国会でも取り上げられるようになっていました。
それが社会問題として広く世の中に注目されるきっかけとなったのは、86年に東京で起きた「中野富士見中学いじめ自殺事件」でした。中学2年生の男子生徒が、同級生たちからの度重なる暴力や言葉によるいじめを苦に、自殺した事件です。私がNHK社会部の記者として文部省(現・文部科学省)を担当していた頃のことで、強く心に残っています。
この事件で世間を驚かせたのが「葬式ごっこ」といういじめでした。男子生徒が死んだという設定で、同じクラスのほぼ全員の生徒たちが色紙に寄せ書きをし、なんとそこに、中学校の教員4人も寄せ書きをしていたのです。被害者である男子生徒は、「このままじゃ、『生きジゴク』になっちゃうよ」という遺書を残し、父親の実家近くの盛岡市で、首を吊って自殺をしました。
被害者である男子生徒にしてみれば、いじめから助けてほしい先生までもがいじめに加担したということで、絶望してしまったのでしょう。
男子生徒が自殺した後、教員らはマスメディアからの取材や裁判の場において、「いじめはなかった」という主張を繰り返し、保身を図りました。このような実態がマスメディアで大きく報道され、世間の関心を集めます。この事件の裁判では、「学校という場で起きたいじめを教師が止めなかった場合、違法となる」と認定されました。







