「あんなに好きだったのに、なんで相手にがっかりしてしまうんだろう」「せっかく付き合えたのにケンカばかり」「相手のどこが良かったのか思い出せない」と恋愛に悩む人におすすめなのが書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点から解説。恋愛に関する章では、自分の感情に振り回されずに、確かな愛を築いていく方法を紹介している。本記事では本書の発売を記念して、その内容を一部抜粋・再編集して紹介する。

「は? どういう意味?」パートナーの一言にめちゃくちゃイラッとしてしまうワケPhoto: Adobe Stock

「それってどういう意味?」

パートナー間のケンカの焦点は、付き合いが長くなるほど「問題そのもの」よりも「問題の解釈の仕方」に移っていきます。

それまでは気にも留めなかった話し方や表情、LINEの返事の仕方などが急に気に障るようになるのは、「その状況に対する自分の見方が変わったから」にほかなりません。

人は他人の言動に対し「なぜそんなことを言うのだろう」「これはタテマエだろうな」などと勘ぐるものですが、親密な関係であるほど、これがネガティブな解釈に傾きやすく、小さな誤解が大きな問題へと発展してしまうのです。

ラブラブ期が終わった後にすれ違いが多く発生するワケ

燃え上がる気持ちが落ち着き始めた時期は、こうしたすれ違いが多く発生します。

相手の連絡頻度が落ちただけで「冷めちゃったのかな」と心配になり、ちょっと愛想のない言動をされただけで「怒ったのかな」と不安になります。

心理学ではこの状態を「感情的な拡大解釈」(emotional overinterpretation)と呼びます。

とくに、「愛着障害」の傾向が強い人(他人との親密な関係を強く求め、見捨てられることへの不安も強い人)ほど、相手の言動を拒絶や脅威として受け取ってしまいがちです。

このような歪んだ解釈は、過去の体験や傷ついた記憶に根ざしています。

パートナーのたった一言で不安が押し寄せる

たとえば、過去に「忙しいから」という言葉が関係破綻のきっかけになった人は、同じ言葉を聞いただけで不安に陥ることがあります。

このことからも、パートナーとの対立の原因は言葉そのものではなく、その「受けとめ方」に影響されやすくなります。

すれ違いを防ぐには?

すれ違いを防ぐには、まず「自分の解釈が感情に引きずれていないか」を意識することが大切です。

「今感じているこの気持ちは、本当に相手の意図を正しく解釈した結果だろうか?」と問い直すだけでも、多くの誤解を避けられるでしょう。

「今、感じている感情は、必ずしも相手の本心を正しく反映したものとは限らない」――この視点を持つことが、健全な関係を保つ鍵となります。

(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)