将来的には対象医薬品の範囲拡大と
全額自己負担の割合も引き上げられる

 一部保険外療養は27年3月実施予定で、保険対象外となるのは当面は薬剤料の4分の1とされている。残りの4分の3は保険給付の対象で、70歳未満の人はそのうちの3割を自己負担する。

 例えば、花粉症で抗アレルギー薬のアレグラ60㎎を30日分処方してもらった場合、1回あたりの薬剤料は1200円。現在はOTC類似薬も薬剤料の全額に保険適用されているので、70歳未満の人なら3割の360円を自己負担すればよい(26年4月現在。この他に医療機関への診療報酬、薬局への調剤報酬などがかかる)。

 制度改正されると、薬剤料の4分の1の300円は公的医療保険が適用されなくなり、全額自己負担となる。自費の医療費には消費税(10%)の30円がかかる。保険適用されるのは残りの900円なので、70歳未満の人は270円を自己負担する。合計すると、1カ月分の薬剤料の自己負担分は600円となり、これまでより240円負担が増えることになる。

「240円程度なら大したことはない」と思うかもしれないが、負担増はこれで終わりではない。

 財務省の「令和8年度社会保障関係予算のポイント」(25年12月)には、「将来、OTC医薬品の対応する症状に適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指し」「令和9年度以降にその対象範囲を拡大していく。あわせて、特別の料金の対象となる薬剤費の割合の引き上げに付いても検討する」と記載されている。

 当初、保険はずしの対象は、77成分・約1100品目で薬剤料の4分の1だが、政府は対象範囲のさらなる拡大を目指しているのだ。

 アレグラ60㎎を30日分処方してもらった場合の負担は、一部保険外療養が2分の1になると840円、全額保険適用外になると1320円に引き上げられることになる。

 子ども、がんや難病などの慢性疾患を抱えている人、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が必要と考える人には配慮措置がとられるが、一般の人は薬剤料の自己負担がジワジワと増えていきそうだ。