OTC類似薬の保険はずしだけではなく
医療全般に拡大していく可能性もある
さらなる懸念は、一部保険外療養の対象がOTC類似薬にとどまらず、医療全般に拡大していく可能性を否定できないことだ。
一部保険外療養に関する法律案は、健康保険法第63条第2項に、「6」として新設され、療養の給付(公的医療保険の現物給付の対象)から除外するものに加えられている。
◆健康保険法第63条第2項6
要指導医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全(新設)性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第四条第五項第三号に規定する要指導医薬品をいう。)又は一般用医薬品(同項第四号に規定する一般用医薬品をいう。)との代替性が特に高い薬剤を用いた療養その他の適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みその要する費用のうち一部を保険給付の対象としないものとする療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「一部保険外療養」という。)※下線は筆者
要指導医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全(新設)性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第四条第五項第三号に規定する要指導医薬品をいう。)又は一般用医薬品(同項第四号に規定する一般用医薬品をいう。)との代替性が特に高い薬剤を用いた療養その他の適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みその要する費用のうち一部を保険給付の対象としないものとする療養として厚生労働大臣が定めるもの(以下「一部保険外療養」という。)※下線は筆者
非常に分かりにくい文章だが、つまり、代替性の高いOTC類似薬や「その他の適正な医療」の費用の一部で、厚労相が定めたものを一部保険外療養にするということだ。
もともと、一部保険外療養はOTC類似薬の費用の一部を保険適用外にするために創設された制度はずだ。ところが、その法案に、なぜかOTC類似薬ではない「その他の適正な医療」という文言が差し込まれている。
現在、原則的に国が認可した医療行為や医薬品の費用は全額保険給付の対象だが、この一文があることで、OTC類似薬にとどまらず、診察や治療材料、処置、手術、在宅医療など、全ての医療を一部保険外療養の対象にすることが可能になってしまうのだ。
一部保険外療養の運用にあたっては、所得や病状など治療を受ける人の事情に配慮することや、中央社会保険医療協議会(中医協)の諮問を受けることも定められている。だが、法律案に書き込まれた「その他適正な医療」という文言を錦の御旗に、国や経済界の都合によって保険適用外の医療行為が次々と追加されていくという事態も起こりかねない。







