「アニソン文化」とは、主題歌を露出の「機会」ではなく、作品内の表現として捉え、作品のために書き下ろされた曲をアニソン歌手や声優が担うことで成立してきた独自の作法とシーンの総称だ。
その象徴が、アニソン界の大御所・水木一郎の「21世紀へ古き良きアニソン魂を残したい」という呼びかけによって2000年に結成されたJAM Projectだろう。水樹奈々や坂本真綾など声優アーティストたちも目覚ましい活躍を見せた。
深夜アニメの人気拡大もあり、『涼宮ハルヒの憂鬱』エンディングテーマの「ハレ晴レユカイ」や、『らき☆すた』オープニングテーマの「もってけ!セーラーふく」などもヒットした。アニメの楽曲を声優がその作品のキャラクター名義で歌唱する、いわゆるキャラクターソングが人気を集めるようになった。
2005年には、その後も長く継続し、シーンの見取り図を示すようになったアニソンフェス「Animelo Summer Live(アニサマ)」がスタートしている。その出演者はアニメソングを専門とするアニソン歌手や声優アーティストが中心だ。
つまり2000年代は、「機会」としてタイアップを捉えアニメ主題歌によってブレイクするロックバンドが増える一方で、作品側が主導するアニソン文化が独自の生態系を築いていく時代でもあった。
二次元への造詣が深い
BUMP OF CHICKENが登場
2020年代の音楽シーンの状況は、そのどちらかの延長として単純に説明できるものではない。
現在は、米津玄師やYOASOBIやVaundyを筆頭に、メインストリームのJ-POPアーティストが作品世界の内側に踏み込み、主題歌を文字通り「主題」を射貫く表現として結実させている。変化の起点は、2010年代にあった。何がターニングポイントとなったのか。
『君の名は。』での新海誠と野田洋次郎の結びつきに加え、筆者は、BUMP OF CHICKENが後続世代に与えた影響が最も大きいと考えている。
2000年9月にシングル『ダイヤモンド』でメジャーデビュー、2002年の「天体観測」のヒットで人気バンドとしての地位を確立した彼ら。同世代のロックバンドとの大きな違いは、幼馴染であるメンバー全員がマンガやアニメやゲームを愛好して育ったということ、そうした想像力をルーツとして血肉に持ったソングライターが率いるバンドであることだ。







