齋藤:その時に気づいたのが、最終目標が論文なら、そこに向けて逆算して、ある程度はめていかないと形にならなすぎるという事実です。そう考え直すと論文にしても2週間もあれば、書けるようになりました。壮大なテーマじゃなくて、逆にテーマを狭めて、段取りを考えたら随分と楽に論文が書けるようになりました。
pha:僕も若い頃は焦りすぎて、やらなくてもいい無駄な努力をたくさんしていた気がします。今はそんなに頑張らなくても、こことここのポイントだけ押さえていれば最低限何とかなる、というのが見えてきました。それは年を取ってよかったことですね。
力んで生きてきた経験が
脳の自動化を可能にする
齋藤:きっと東洋思想に巡り会うためには、ある時期まで生産性を上げてきた人が力を抜くとちょうどいいのでしょう。でも、そうじゃない人が最初から手を抜きすぎると、「何もできないのに抜くなよ」と言いたくもなります(笑)。
ただ、この記事を読んでいる方は40代以上が多いと思うので、それなりに社会の中で力んで生きてきたと思います。そこでアドバイスをさせていただくとすれば、どこを抜いたら大丈夫なのかという「脱力のポイント」をつかむことが肝心です。脳の働きも、ある程度自動化していくことはできると思います。「抜く」というのはオートマティックというか自動化だと考えれば、職人こそ「自動化の達人」ということができるかもしれません。
つまり脳の自動化により、リソースを使わなくて済むようになれば、意識を他に向けることができるようになる。例えば敬語にしても慣れていない人は必死で「~させていただいて」って、「いただく」ばかりが何度も出てきてしまう場面に遭遇することがあります。
一方、敬語が上手に使える人は、自然に敬語が出るから、そこに意識を使わなくていいわけですよね。そういう意味では、社会生活を40歳までやった場合、ほとんどのことは自動化できるのではないかと思います。







