齋藤:そうそう!亀仙人ですね(笑)。
pha:すごい人なんだけど、まったく偉そうじゃない(笑)。
齋藤:しかもまだ欲しいものがいっぱいある(笑)。ちょっと煩悩がありそうなところも魅力でしょう。
pha:ああいう爺さんになりたいですねえ。
どこか間抜けで軽やかな
亀仙人の生き方に憧れる
齋藤:亀仙人は背負っている甲羅が異常に重いっていうのも見逃せません(笑)。ああ見えて、武道の達人というのも東洋の神秘を感じます。さらに甲羅を重そうに見せない、何気なくやってしまうというところがかっこいい。強さが表に出なくて威張らないし、誰とでもナチュラルに話せる。
しかも全然鍛えていないわけではなく、実際にはめちゃくちゃバトルにも強い。全天候型と言いましょうか、どんな世代の人にでも亀仙人って通じる知名度の高さも魅力です。何か見えないものが奥にありそう。そういう雰囲気を醸し出しています。
『あらゆる悩みは東洋思想で解決するかも』(齋藤 孝、pha、徳間書店)
pha:うろ覚えだけど昔何かの本に、仙人というと霞を食べて生きているストイックな聖人のようなイメージがあるけど、古来の中国の仙人というのは、亀仙人みたいに俗な部分もある、社会の常識に縛られない自由自在な存在だったんだ、という文章があったんですよね。へー、そうなんだ、と思って、そういうイメージが東洋思想への興味につながっていったところもありますね。
齋藤:亀仙人のキャラクターは新しい老人像として、明るいイメージをもたらしました。
実は平安末期に成立したとされる『今昔物語』には久米仙人という人物が登場します。この仙人は修行して神通飛行術の達人となりましたが、女性のふくらはぎに見とれて神通力を失って川に落っこちたという、どこか「軽い」というか間抜けなキャラクターとして描かれていました。やはり平安時代でも「軽さ」というのは東洋思想の重要な要素のような気がします。
pha:いいですね。亀仙人ぽい(笑)。







