「シリコンバレーの天才たちの群像劇に、ページをめくる手がとまらない」
「この本を読まずして、現代の国際情勢は語れない」
発売以来、そんな絶賛の声が続々集まっているのが、書籍『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』(クリス・ミラー著、ダイヤモンド社刊)だ。
本書は、スマートフォンなどの日用品から軍事兵器に至るまで、世界の命運を握る「半導体」をめぐる米中などの熾烈な覇権争いを圧倒的なスケールで描き出し、日本のビジネス現場でもさまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。
今回、著者のクリス・ミラー氏が緊急来日。ラピダスの成功確率から、AI時代の日本の半導体メーカーの生き残り戦略まで、我々が今もっとも知りたい質問をぶつけてみた。全8回にわたってお届けする。(構成/大野和基)
Photo: BINGJHEN/Adobe Stock
NVIDIAに対抗するのは
「非常に困難」
――現在、AIブームによりNVIDIAのGPUが市場を席巻しています。過去のインテルのx86エコシステムのように、NVIDIAのCUDA(プログラミング環境)による支配は長期にわたって続くとお考えですか?
クリス・ミラー(以下、ミラー) そうですね、NVIDIAのCUDA優位性はすでに10年ほど続いています。初期のAI研究者たちがCUDAを基盤としてAIシステムを構築し始めてから10年が経ち、NVIDIAは非常に大規模なソフトウェア導入基盤を築き上げてきました。
Googleを除けば、CUDAは世界のほとんどのAIシステムの基盤として既に利用されています。つまり、世界のほとんどのAIシステムがNVIDIAチップとNVIDIAソフトウェアで学習されているという事実が、NVIDIAに非常に大きなアドバンテージを与えているのです。
そして、Intelのx86の場合と同様に、競合が存在しないという意味ではありません。IntelとAMDは常に競争していましたが、NVIDIAには決定的な優位性があり、それが今日のNVIDIAの企業価値の高さにつながっているのです。
――しかし、NVIDIAは今後、目標を達成できない可能性もあるのではないでしょうか。どう思われますか?
ミラー そうですね、私ならNVIDIAと競合する立場にはなりたくありません。まず、NVIDIAはすでに最も広く使われているメーカーですし、莫大な利益を上げているので、それを研究開発に再投資して次世代機をさらに改良できるからです。ですから、NVIDIAのマシンに対抗するのは非常に困難です。







