「シリコンバレーの天才たちの群像劇に、ページをめくる手がとまらない」
「この本を読まずして、現代の国際情勢は語れない」
発売以来、そんな絶賛の声が続々集まっているのが、書籍『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』(クリス・ミラー著、ダイヤモンド社刊)だ。
本書は、スマートフォンなどの日用品から軍事兵器に至るまで、世界の命運を握る「半導体」をめぐる米中などの熾烈な覇権争いを圧倒的なスケールで描き出し、日本のビジネス現場でもさまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。
今回、著者のクリス・ミラー氏が緊急来日。ラピダスの成功確率から、AI時代の日本の半導体メーカーの生き残り戦略まで、我々が今もっとも知りたい質問をぶつけてみた。全8回にわたってお届けする。(構成/大野和基)
Photo: Adobe Stock
ドローン運用、サイバー攻撃……
AIはすでに戦争に活用されている
――本書では、冷戦期から現代に至るまで、精密誘導兵器など軍事技術と半導体の深い結びつきが強調されています。現代の軍事力において、AIチップの性能差は国家間のパワーバランスをどのように決定づけるとお考えですか?
ミラー そうですね、ここでは3つの異なる要素に注目したいと思います。
第一に、世界の主要国の軍隊のほとんどが、データ収集、解析、そしてそれに基づく意思決定にAIを活用していることはすでに明らかです。
例えば、ロシアとウクライナでは、両国が敵の動向を把握するために、宇宙、空中、地上に数千ものセンサーを配備しています。そして、これらの膨大なデータをリアルタイムで分析できるのはAIシステムだけです。
つまり、米国と中国、ウクライナとロシア、そしてある程度はイランでさえも、軍事状況をより的確に把握し、行動するために既にAIを活用しているのです。これが第一の要素です。
2つ目は、自律的に思考し行動できるドローンなどの自律システムをより多く導入するにつれて、より多くのAIが必要になるということです。
これは、ドローン自体にAIを搭載するだけでなく、ドローンに飛行方法、思考方法、見ているものを識別する方法を訓練するためにAIを使用することを意味します。
つまり、ドローンに高性能なチップが必要なだけでなく、ドローンが本来の役割を果たすように訓練するデータセンターにも多くのチップが必要になります。これが2つ目の応用例です。
そして3つ目はサイバー戦争です。AIがサイバー防御だけでなくサイバー攻撃をどのように変革していくか、その初期段階はすでに見てきたと思います。そして、AIによって推進されるサイバー能力の加速を期待すべきでしょう。
このように、これら3つのダイナミクスはそれぞれ、すでに実験段階だけでなく初期段階での導入段階に入っていますが、AIによって可能になり、推進される軍事力の継続的な変革を期待すべきでしょう。







