「シリコンバレーの天才たちの群像劇に、ページをめくる手がとまらない」
「この本を読まずして、現代の国際情勢は語れない」
発売以来、そんな絶賛の声が続々集まっているのが、書籍『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』(クリス・ミラー著、ダイヤモンド社刊)だ。
本書は、スマートフォンなどの日用品から軍事兵器に至るまで、世界の命運を握る「半導体」をめぐる米中などの熾烈な覇権争いを圧倒的なスケールで描き出し、日本のビジネス現場でもさまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。
今回、著者のクリス・ミラー氏が緊急来日。ラピダスの成功確率から、AI時代の日本の半導体メーカーの生き残り戦略まで、我々が今もっとも知りたい質問をぶつけてみた。全8回にわたってお届けする。(構成/大野和基)
Photo: Adobe Stock
日本の半導体メーカーが直面する
「リスク」と「チャンス」
――ハードウェアに強いとされる日本の半導体・装置メーカーが、AI時代に生き残るために必要なアプローチは何だとお考えですか?
ミラー そうですね、AIは大きなチャンスであると同時に、ビジネスモデルにいくつかの課題も突きつけていると思います。
チャンスは、チップの需要が増加することです。つまり、チップ製造に必要なツールや材料も増えるということです。
これは既にこれらの企業にとって非常に良い背景となっており、収益を押し上げています。
潜在的な課題は、AIによって研究開発の方法、そして将来的にはチップの製造方法が変わる可能性があることです。
既に材料科学の研究は人工知能によって変革されつつあります。AIシステムは材料の挙動に関する新たな仮説を生み出し、様々な材料の相互作用を検証するロボットラボを稼働させています。
ですから、材料分野の企業もこれらの技術を採用する必要があると思いますが、そのためには新たな投資だけでなく、新たな運営方法、新たな働き方も必要となり、一部の企業にとっては適応が難しいかもしれません。
AIを研究開発プロセスに統合することは、チャンスであると同時に課題でもあると思います。
将来的には、AIがチップ製造プロセスをより大きな形で変革する可能性もあります。例えば、さらなる自動化を推進したり、チップ製造に使用される材料やプロセスの種類を変えたりするなどです。
しかし、少なくとも今後数年間は、サプライチェーンのあらゆるコンポーネントをAIで根本的に置き換えるのではなく、研究開発や製造を最適化するためにAIを活用することに重点が置かれるでしょう。







