したがって、推薦入試においては、点数の高さよりも、自分の言葉で学問を語れる力と、探究を継続してきた軌跡の一貫性が、最も重要な評価要素になると言われる。特に共通しているのは、「テーマを自分で設定し、継続して探究した経験」を重視する学問への向き合い方。

 実際の合格者から話を聞くと、「○○オリンピック入賞者」「探究活動での論文発表」「地域課題の研究」「社会貢献活動」「国際的な体験」など華々しい経歴の学生は多い。だがそれは本質ではなく、高校時代の取り組みや面接での受け答えなどから透けて見える「一貫して自らの興味と向き合い続けた姿勢」こそが評価されたのだろうと推察される。

 たとえ全国大会や国際大会での入賞がなくても、学校内で地道に続けた研究や地域などでのボランティア活動が、評価対象となる。やはり推薦入試は「結果よりもプロセスを評価する入試」なのだ。

 東大側もいわゆる「神童型」ではなく、「1つの興味をコツコツと掘り下げてきた人」を歓迎している。ある意味で、これは「偏差値の壁を越えるチャンス」であり、地方や小規模校の生徒でも十分に挑戦できる門戸なのだと言えるかもしれない。

推薦で東大に入る
3つのメリット

 東大に推薦入学した際のメリットだが、合格者から挙げられることが多いものは主に3つ。

 1つ目は「推薦生のつどい」。2月25日・26日が試験日で、3月10日に合格発表が行われる一般入試受験者と異なり、推薦受験者は2月中旬頃に合否が判明する。そして、3月中頃には彼ら推薦入学学生のみを集めた集会が開催される。

 東京大学の入学生の大半は、首都圏の私立中高一貫高校から輩出されるため、入学後のクラス顔合わせでは「同じ学校」「同じ塾」同士である程度のグループが既に形成されているケースが多い。

 ただでさえ「推薦入学」の肩書から好奇の視線にさらされやすい彼らだが、特に地方部からの出身者は友人が少なく心細い思いを抱きやすい。だが「つどい」では3月末日のクラス顔合わせより早い段階で交流できる。入学前から友人を作った状態で入学の日を迎えられることが、心の支えとなるのだ。