セントラルキッチン方式で
「中華そば420円」が実現
その「六割の味」という哲学が、日高屋の低価格や効率化を支える「経営戦略」そのものになっています。
私たちがなぜ「中華そば420円」という、今の時代では信じられないような低価格を実現できるか。それは、早い段階から億単位の投資をして「セントラルキッチン(工場)」を持っているからです。
でも、もし私が、「10人中10人が唸る究極の一杯」なんていう「こだわり」を持っていたら、セントラルキッチン方式は絶対に無理だったでしょう。
「究極の一杯」というのは、必ず「職人のワザ」に頼ることになりますから。「スープの火加減は俺にしか分からん」とか、「麺の湯切りはこの角度だ」とか、そういう世界です。そうなれば、味はマニュアル化できません。店舗ごとに職人を雇わなければならず、人件費は高騰する。セントラルキッチンなんて夢のまた夢です。
でも、私たちは「6割の味」でいい、と決めている。この哲学があるからこそ、味を「マニュアル化」できるのです。
「こだわりすぎない」ことこそが
最大の「こだわり」
工場でスープも、タレも、餃子も、すべて安定した品質で大量に作る。店舗での作業は、その食材をマニュアル通りに調理するだけです。だから、高い給料のラーメン職人を雇う必要がない。それこそ、料理経験のある主婦のパートさんなら、すぐに美味しいラーメンが作れるようになるのです。
職人がいらないから、人件費も抑えられる。人件費が抑えられるから、DX(タッチパネル)も導入できて、さらに効率が上がる。その浮いたコストで、高騰した材料費をカバーして、まだ利益が出る。
すべてが「6割の味」という哲学から始まっているのです。
「ラーメンがやりたかったわけじゃない」という私の、ある意味「素人」としてのスタート。「うますぎると飽きる」から「10人中6人が美味しい」でいいという味の哲学。そして「セントラルキッチン」による徹底した効率化と低価格の実現。これらすべてが噛み合って、今の日高屋があるのです。
ですから、「こだわりすぎない」ことこそが、日高屋にとっての最大の「こだわり」であり、お客様に「安くて、早くて、そこそこ美味しい」という価値を提供し続けるための、一番大事な経営戦略なのです。
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