これに関して、日本における外国人の犯罪は20年前と比べれば減少しているとの指摘もありますが、当時は不法滞在がいわば野放しにされていた時期で、現在との単純な比較は正しくありません。2000年代半ばから不法滞在への対策が講じられ、外国人犯罪も大幅に減りましたが、その後、2010年代から再び増加しているのが現実です(制度・規制改革学会提言(2025)「外国人の犯罪抑制の必要性と方策」2025年8月)。
外国人の犯罪率を日本全体の平均的な犯罪率と比べる場合には、以下のような点が重要です。
第1に、犯罪率を算定する際の分母として、外国人の中長期在留者に、その数倍に及ぶ短期的な観光客等の年間総数を、そのまま加えた数字を用いると、著しい過小評価になります。短期滞在者については、その平均滞在日数を考慮して、総数を補正する必要があります。
第2に、犯罪の内容について、国民生活の安全を脅かすという視点では、重要犯罪(殺人・強盗等)や重要窃盗犯(侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり等)に注目する必要があり、この指標では2010年代から持続的に増えています。
第3に、犯罪者の属性(国籍、在留資格)の違いで、これは国民性等ではなく、犯罪に至った要因を分析する際に重要となります。米国の研究では、移民の重要犯罪率は平均より低いという結果があります。これは、不法移民・合法移民・本国生まれの人々のうちで、犯罪で逮捕された際に発覚すれば直ちに強制送還の対象になる不法移民の犯罪率が最も低いという結果があります。
これに対して日本では、外国人の犯罪で検挙された数は2010年代から高まっており、24年で日本人全体の検挙率の2~3倍程度となっています(図表10)。こうした違いは、日本の外国人労働者の多くは、米国の場合とは異なり、賃金の低い職種に多いことや、日本で一定期間稼いだら帰国する短期滞在者が多く、強制送還を避ける動機が弱いためとみられます。
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