Photo by Hirobumi Senbongi
農林水産省の事務次官が今夏、交代する見込みだ。小泉進次郎氏(現防衛相)が農水相を務めていた25年7月の幹部人事では、番狂わせと局長クラスの一斉退任があった。そうした波乱と淘汰の時代を生き抜いて出世レースに勝利するのは誰なのか。長期連載『儲かる農業 JA・豪農・アグリビジネス大激変』の本稿では、農水省の次官と事務方ナンバー2である農林水産審議官に就くことになりそうな官僚の実名と、“次の次”に事務方トップに昇進しそうな本命候補を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
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閣僚人事に翻弄されるだけでなく
人材難にも直面する農水省内の“権力闘争”
石破茂内閣で農水相を務めた小泉進次郎氏(現防衛相)は、政府備蓄米を大量に放出してコメの需給を大幅に緩和させるなど、農業政策に大きな“爪痕”を残して農水省を去った。
その爪痕は、コメのような政策関連だけでなく、実は、幹部人事においても深く刻まれている。
小泉氏による独自の幹部人事は、2025年5月に農相に就いた直後から始まった。7月に任期1年で退くとみられていた渡邊毅事務次官(1988年入省)を続投させたのだ。小泉氏が自民党農林部会長を務めていた頃から気心の知れた仲だったという理由からだった。
次官続投が決まった直後の人事では、令和の米騒動の責任を取ることになった松尾浩則農産局長(89年入省)を含めて、局長級の幹部らが大量に退職した。中でも、森重樹輸出・国際局長(90年入省)と前島明成農村振興局長(同)を就任から1年足らずで退任させた人事は省内で波紋を広げた。さらに驚きを持って受け止められたのが、次期次官候補の本命だった長井俊彦氏(90年入省)を官房長から畜産局長に異動させたことだった。森、前島、長井の3氏はいずれも渡邊氏の前の次官である横山紳氏(86年入省)が退任直前に、局長や官房長に引き上げた人物だ。省内では「渡邊氏は、前任者による幹部の人選と、3人の働きぶりによほど憤っていたのだろう」とささやかれた。
次期次官の本命候補だった長井氏が一歩後退するという番狂わせの幹部人事は、現在まで尾を引いている。こうした波乱の中で、今夏、農水省の事務方トップに立つ官僚は誰なのか。次ページでは同省の次期次官と、外交面を担う事務方ナンバー2である農林水産審議官の本命候補と、“次の次”に事務方トップに就く3人の候補者を明らかにする。







