食料の安定供給、農林水産業の発展や振興を担っている農林水産省。上場企業の社外取締役に就いているOB・OGは全22人だった。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#8では、農水省出身者のランキングを公開する。2725万円で1位となったOGはMBAホルダーで、同省退官後に民間企業でキャリアを積んだ人物だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
“令和の米騒動”で批判を浴びた農水省
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開
8月後半以降、スーパーなどの小売店で全国的にコメが品薄になっている。コメの値段は上昇する一方で、“令和の米騒動”ともいわれる事態が生じている。
8月26日には、大阪府の吉村洋文知事がコメの品薄解消のため、政府に備蓄米の放出を要請したと明らかにした。しかし、農林水産省は放出に消極的な姿勢を見せており、同省に対して批判の声も上がっている(『コメがスーパーから消えた「本当の理由」と、農水省が備蓄米の放出に慎重な裏事情』参照)。
コメ不足の問題は、昨年の猛暑や南海トラフ地震に注意を促す臨時情報など複合的な要因で引き起こされたものだ。今回の混乱は、新米が出回る9~10月ごろまで尾を引きそうである――。
さて今回は、令和の米騒動で批判を浴びた農水省の出身者に焦点を当てる。コメにとどまらず食料全体の安定供給、農林水産業の発展や振興を担う同省を出身母体とする上場企業の社外取締役を取り上げていく。上場企業の社外取に就いている農水省OB・OGは全22人だった。
ダイヤモンド編集部は、農水省OB・OGの社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。役員報酬額が1000万円を超えたのが8人。2725万円で1位となったOGはMBAホルダーで、同省退官後に民間企業でキャリアを積んだ人物だった。
それでは次ページで、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。
また、農林水産事務次官や林野庁長官、大臣官房長などの「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。