金利上昇→株価変調→景気減速でも
高市政権は積極財政に固執するのか?
トランプ氏もイラン側も当面、互いに引くに引けない状況が続きそうだ。何かをきっかけに、攻撃が再開・激化する恐れもある。イランが、イスラエルと軍事面で関係強化したUAE(アラブ首長国連邦)を攻撃し、中東情勢が本格的な泥沼化する可能性もある。
そうしたリスクを考えると、ホルムズ海峡を含め紅海など中東近海における船舶の航行リスクは上昇する可能性がある。原油などの関連施設への被害や、復旧の遅れも懸念される。いずれも、世界的なインフレ懸念につながる。
インフレが進行した場合、主要先進国が取れる方策は、利上げを再開して物価の安定に取り組むなどに限られる。しかし原油価格の上昇や、ナフサなどの枯渇に起因する肥料や資材などの不足と価格上昇のスピードは、利上げ効果より速いだろう。
多くの国でインフレに対して打つ手は限られている。わが国の長期金利は、そうした懸念を先取りして一時、2.8%に上昇した。年内、いや年前半に3%に到達することも視野に入る。
こうした状況に、米国のベッセント財務長官も懸念を強めているはずだ。同氏が来日した目的のひとつに、長期金利上昇に歯止めをかけるよう高市政権に要請することだったようだ。それでも今のところ、官邸周辺から相応のスタンスを見ることはできない。
海外ではモノやサービス不足に危機感を表明する首脳が増えている。例えば韓国やタイ、インドなどは国民に節約を呼びかけた。フィリピン、ノルウェー、オーストラリアはインフレのリスクに備えて利上げに踏み切った。
一方、高市首相は経済政策として、補正予算を組んで景気対策を打つという。インフレに関しては、むしろ楽観的に見える。エネルギーや食料をはじめ多くの物資を輸入に頼るわが国が、ホルムズ海峡封鎖の長期化で被るマイナス影響は、かなり深刻であるにもかかわらずだ。
今後、金利上昇をきっかけに世界的に株価が変調をきたし、景気減速が鮮明になる恐れもある。それでも、高市首相は「責任ある積極財政」に固執するのだろうか?
高市首相は、長期金利が急上昇するリスクをあまり考えていないように見える。ホルムズ海峡の正常化が見込めない中、経済政策の運営スタンスに不安を感じざるを得ない。








