何もしない贅沢を求める
富裕層には、トゥーマッチ
まとめると、富裕層を含めインバウンドの多くは、日本流「おもてなし」を求めてやってくるわけではない。
日本にわざわざ来ているのだから、手厚く尽くさなければ……というのは、我々の思い込みなのかもしれない。
一方で、インバウンドのなかでも富裕層向けの「おもてなし」は、例えば、日本の高級ブランドホテルと外資系高級ブランドホテルのコンシェルジュの対応を比べてみると、彼ら彼女らからすれば、日本のそれは正確であるものの時間がかかり、個々のコンシェルジュの裁量が狭く杓子定規にみえてしまったり、逆に張り切り過ぎてトゥーマッチな対応であったりする。外資系のそれに劣っていると感じる場面もあるようだ。
『超富裕層に「おもてなし」はいらない 世界の一流が日本に惹かれる本当の理由』(高橋克英、講談社)
豪奢なホテル、希少価値の高い食材を使ったフルコースに、国賓待遇のような厚いサービス、特別なオプショナルツアーを用意すればいいという単純なものではない。
海外の富裕層は、既に述べたように、多忙な日常から離れ、ただゆったり家族やパートナーと滞在することを望む、つまり「何もしない贅沢」を求めている場合も多い。
筆者もまさにその1人だが、日本人にありがちな弾丸ツアーや詰め込み過ぎのスケジュールを好まない人のほうがむしろ多い。受け入れる我々日本人側の身だしなみや自己満足として完結する分にはいいが、そこにビジネスリソースを割くのが合理的かと言われると微妙だ。
無論、笑顔での対応や丁寧な言葉は、万国共通で温かく心地よいものだ。ただ、こと海外富裕層への対応は、彼らが慣れているグローバル・スタンダードなサービスが基本であり、あくまでプラスアルファとしての日本流「おもてなし」サービスを加えていくという形が理想なのかもしれない。







