東京、京都、大阪に箱根など定番の観光地や景勝地に加え、日本食、伝統文化、アニメのキャラクター、円安で割安な買い物需要などが挙げられるなか、日本流の「おもてなし」もインバウンドを惹きつける魅力として挙げられることが多い。

 高級旅館や百貨店からコンビニエンスストアに至るまで、笑顔で懇切丁寧な接客や、街ゆく人々のやさしさや親切さが評価されているという。

 東京・浅草や京都などで日本のTV番組のインタビューやアンケートでマイクを向けると、外国人観光客は、判を押したように「おもてなしに溢れている」「皆やさしくて礼儀正しい」と答えるのを耳にする。

「おもてなし」は本当に
日本の強みなのか

 2013年、東京オリンピック誘致のプレゼンテーションにて発せられ、流行語にもなった「おもてなし」という言葉。我々日本人の多くは、日本がおもてなしの国=魅力のある国だと考えているが、本当にそうなのだろうか?

 世界60カ国以上を訪問し、国内外の観光地・リゾートに滞在し、また、海外旅行経験が豊富な国内外の富裕層と接してきた筆者としては、日本流のおもてなしは、ことインバウンドの増加にはあまり影響がないのではと考えている。

 そもそも他国には、日本流の「おもてなし」文化がないので、それがなくても平気なのだ。むしろ、笑顔がないぶっきらぼうな対応に慣れっこであり、それが日常でもある。

 ニコニコ対応すると好意があると勘違いされたり、油断ありと盗難などに巻き込まれたりする場合もあり、だから常に周囲を警戒した険しい表情と態度で接するのが普通だ。

 欧米に限らず、アジアでも同じだ。「微笑みの国」タイは、あくまでもイメージ。皆が常にニコニコしているワケではない。

「夢と魔法の国」の本場、米カリフォルニアのディズニーランドではさすがにそんなことはないが、フランス・パリ郊外のディズニーランド・パリでは、入場ゲートでのやり取りは必要最低限で、園内のキャストも誰もがスマイルにあふれているわけではない。