邦銀が見落としている
富裕層の3つの特性
このようにスイスの老舗プライベートバンクと提携したり、グループ内での連携を強化したり、金融商品やサービスを増やし、豪華なラウンジを用意したりするなど、メガバンクだけでなく、証券会社や地方銀行を含め、多くの金融機関が富裕層ビジネスに努めている。
しかしながら、バブル期以降、何度も繰り返された試みと同じように、新たな提携や組織の立ち上げや改編、金融商品やサービスを揃え、やみくもに人員を増やすだけでは、この先も変わらず邦銀の富裕層ビジネスは上手くいかない可能性が高い、と筆者は読んでいる。
その根本的な理由はズバリ、肝心の富裕層の特性をよく理解していないことにある。具体的には、(1)そもそも富裕層は開示しない、(2)コロコロ変わるのは論外、(3)時間泥棒が大嫌いという3点だ(図表終章-2)。
同書より転載 拡大画像表示
家族構成は?保有資産の構成は?
そんな質問を富裕層は最も嫌う
そもそも富裕層は開示しないのは、家族構成や金融資産をベラベラ話しても得することはないと経験上、知っているからだ。
例えば、富裕層がふらりと訪問したルイ・ヴィトンやレクサスといった高級ブランドの店舗担当者に、開口一番、家族構成や保有資産、他社との取引状況を根掘り葉掘り聞かれることはない。考えてみれば当たり前の話だ。
ところが、銀行における富裕層との面談の際は違う。営業担当者は、行内研修で厳しく指導されたのか、面前の顧客に対してマーケットの話題や金融商品の提案よりも、家族構成や資産構成などを聞かなくては、と気をとられてしまい、本末転倒な面談や顧客対応になってしまっている。







