私は、こんな想像もしました。彼はきっとそれまで先生から「言うことをきかない」という点ばかりを指摘されてきて、そのストレスが溜まって暴力行為にいたっていたのだろうな、と。

 教師の側もその子にあった接し方はあるはずなのに、いつも怒っていたのだろうと。その子も教室の中で大事なひとりだ、という教育をしていなかったのだと思います。

なぜ4年生のクラスは
荒れやすいのか?

 一方で、この4年生という学年が全国的に荒れる構造がはっきりとあります。

 学校側の担任の先生の配置です。全国的な傾向として、経験の多いベテランの先生を配置する学年の優先順位があるように思います。まずは高学年。次に低学年、そして最後に4年生も含まれる中学年です。子どもたちにもこの構図の影響が出ます。

『足型をはめられた子どもたち』書影足型をはめられた子どもたち』(菊池省三、講談社)

 一般的にベテランの先生は、まず高学年の担任になることが多いです。5、6年生の教室の雰囲気は学校全体に伝わりやすいため、この学年が荒れていくことを抑える必要があります。

 次に低学年。幼い子どもたちに接するのにもまた経験が必要だからです。低学年の担任になるケースが多いベテランの先生というのは、どうしても子どもたちを型にはめがちです。

 すると3、4年生でその反動が出てくる傾向があります。若い先生に担任が変わると一気に好き勝手をやり始めます。私の教員生活と、飛び込み授業の日々を通じて幾度も目にしてきた構図が、ここにもありました。

 この東北地方の小学校4年生のクラスも若い女性の先生が担任していました。つまりは、中学年には若い先生が多いから、コントロールが利かなくなる、という構図です。子どもたちが教師に反抗して授業が成立しなくなるという典型的な「昔風の学級崩壊」のパターンでした。