UAE離脱の余波
UAEの離脱により、OPECプラスの価格支配力は一段と弱まる。影響力は、世界の需要のうちOPECプラスがどれだけ支配できるかに左右される。2017年にOPECプラスが生産調整を本格化させた時点で、同連合は世界供給の過半を占める枠組みだった。しかしその後、加盟国の脱退に加え、北米や南米などOPECプラス以外の産油国の増産が進み、世界市場に占めるシェアは低下してきた。UAEが離脱したことで、OPECプラスが調整できる輸出量の市場でのシェアは5割を割った。
次に注目されるのがカザフスタンだ。同国は2024年以降、OPECプラスの生産目標を繰り返し超過してきた。超過分については補償減産を度々約束してきたが、実際の履行を見るとほとんど達成できていない。
背景にあるのは、増産の主体が国家ではなく外資主導の巨大プロジェクトだという構造だ。テンギス油田を含む近年の大型案件は、シェブロンやエクソンモービルといった石油メジャーを中心とするコンソーシアムが開発しており、巨額投資の回収圧力が常に働く。テンギス拡張によって同国の生産能力は高まり、OPECプラスとしての目標との乖離は広がっている。UAE同様に、OPECプラスの調整義務と生産能力の拡大・投資回収の必要性が衝突する構図が、カザフスタンを離脱の予備軍として浮かび上がらせている。








