「その同僚の実力に見合わない上昇志向の強さには辟易していますが、そのときばかりは許せないという気持ちになって、怒鳴ってしまいました。というのも、やり方があまりにえげつないんです。

 私に対して別の同僚の悪口を言ってくるのを、ただ聞いてただけなのに、向こうには私が悪口を言ってたというように、嘘の告げ口をするんです。

 そして、向こうに私の悪口を言って、私には向こうが私の悪口を言ってたって告げ口してくるんです。向こうと私の間に不信感を植えつけ対立を煽ろうとしたわけです」

「たまたま私たちは同じプロジェクトに携わったのがきっかけで、たまに飲みに行くことがあったため、そうした機会にお互い率直に話して、不信感を解消することができたんですけど、話す機会のない相手だったらと思うと、ゾッとします」

「それで、あまりに腹が立ったので怒鳴って叱りつけて、なんでこんなことをするんだ、何か恨みでもあるのか、って問い詰めたんです。そうしたら、べつに恨みなんかない、将来ライバルになる可能性のあるヤツは今のうちに潰しておきたいし、共倒れを狙ったわけだけど、バレちゃったんですね、って笑ったんです。バカらしいと同時に、恐ろしくなりました」

 ここまで露骨な引きずり下ろし方をされたら、さすがにバカらしいを通り越して、この先も何をされるかわからないといった恐ろしさを感じるのも当然だ。

「なぜそんな嘘を言うのか」
理解が及ばない裏表人間の言動

 上昇志向の強い裏表人間の特徴のひとつとして、人の弱みを探ろうとするところがある。

 ある人は、同僚に仕事帰りに飲みに誘われてから、何度か一緒に出かけたものの、あまり楽しい相手ではないとわかり、次第に面倒に感じ始めていた。そんな頃、別の同僚から、

「あなたがしつこく飲みに行こうと誘ってくるから困っているって言ってたよ」

 と聞かされ、なぜそんな嘘を言うのか理解できず、混乱したという。

 本人に問いただしたいけれども、問いただした場合の気まずさを考えると言い出しにくく、そのままになっているが、そんな思いを信頼できる先輩に話したところ、つぎのようなアドバイスをしてくれたという。