裏ではさんざん
こき下ろしながら…
「同期の集まりの場で、その人が最近自分の部署に配置転換でやってきた3歳年下の子のことを、『ほんとに使えないんだ。いくら教えても間違えてばかり。呑み込みも悪いし、すぐに忘れる。ほんと、バカっぽい。これまでどうやって仕事してきたんだろう、周りの人はなんで我慢できたんだろう、って思う』っていう感じにこき下ろしてたんです。
ところが、数日後に、たまたま彼女の部署に行く用事があって、そのとき彼女がその3歳年下の子にやさしい口調で、いかにも仲良さげに話してたんです。そんな様子を見て、『腹立ちや不満をおくびにも出さずに親しくつき合えるなんて、すごいなあ、この人、どんな神経してるんだ』って感心してしまいました」
だが、感心している場合ではない。非常に危険な香りがする。そこに気づくべきだろう。
3歳年下の人は、その先輩のことを友好的な相手と思い込んでいるだろうし、まさか陰で自分のことを「呑み込みも悪いし、すぐに忘れる。ほんと、バカっぽい」とこき下ろしているなどとは思いもしないだろう。そのようなコメントをすると、
「そうですね。感心してる場合じゃないですね。たしかに危険な香りがしますね。
彼女は、私に対してとても友好的ですけど、陰では私のことをこき下ろしてるかもしれませんね。その後輩と同じように、私も気づいてないだけかもしれません。私の前でこき下ろされてる人たちも、それを知らずに彼女のことを友好的とみなしてるはず。そう思うとゾッとします。
『裏表がありすぎる人』(榎本博明、幻冬舎)
裏の顔を知ってしまった今、けっして信用できないし、とても親しくつき合う気になれない。でも、誘いを断ったりして急に距離を置こうとすると、とんでもない陰口を叩かれ、根も葉もない悪い噂を流されないかって心配になります」
と、危険を感じながらも、どうやって距離を置いたらよいのか、戸惑う気持ちを吐露した。
距離を置くにも慎重にしないといけないが、とりあえず危険な裏表人間だとわかっただけでも前進と言える。このように自分の前ではボロを出さなくても、他の人に対して陰でどんなふうに言うかを観察することで、裏の顔の見当をつけることができる。
日頃仲良くしている人のことを陰で悪く言うような様子が見られれば、かなり危険な裏表人間と思っていいだろう。







