幅広い品揃えも尖った個性もない
中規模書店は選ばれにくい
POSレジ(「いつ・何が・いくつ売れたか」を会計と同時に自動で記録してくれる)や在庫管理システムなど、最低限のIT投資も必要です。他方、大手チェーン書店とは違って、取次と交渉して仕入れ条件(粗利率)を有利にするほどの力はないし、大規模なシステム投資をして、長いスパンで回収する戦略も立てにくい。「中途半端に大きい」がゆえに、じわじわと経営が圧迫されていくという展開に陥りやすいのです。
品揃えの面でも、板挟みになりがちです。中規模書店はその成り立ちからして、「地域の総合書店」という役割を担っていることが多い。利用者の間には、文庫も新書も、実用書もコミックも、児童書も学習参考書も、地域住民が必要とする本は一通り置いておいてほしいという期待がある。
こうした要望に誠実に応えようとすると、どうしても「広く浅く」の売り場になりやすい。しかし、同じ総合書店として見た場合、大手チェーン書店の旗艦店と比較すると、売場の迫力も在庫の厚みも、どうしても見劣りしてしまう。
いっぽうで、独立系書店のように、特定ジャンルに思い切り舵を切って個性を前面に出す戦略も取りづらい。規模がそれなりにあるぶん、ある程度は「万人向け」の本を置いておかなければ、売上が維持できないからです。
結果として、大型書店ほどの圧倒的な品揃えもなければ、小規模店のような尖った個性も出しにくい、どっちつかずのポジションに収まってしまう。読者からすれば、「なんでも揃っている感」を求めるなら大型書店やネット書店を利用し、「ここでしか出会えない本や人とのつながり」を求めるなら小さな個性派の書店を訪ねる、というのが最適解となります。そのどちらの理由でも選ばれにくいのが、中規模書店のつらいところです。
注目される「独立系書店」が
抱えるシビアな現実とは
かと言って、独立系書店の未来は明るい、と私が楽観しているかと問われれば、それもすこし違います。さきほど、書店はこれから「二極化」するという見通しを述べましたが、その先にあるのは「一極化」、つまり、最大手しか残らない未来だと思います。







