「どの検査機関も断った」前例のない安全検証を独自に実施
半固体バッテリーのメーカーから「釘を刺しても燃えない」という実験結果を提示されたが、バッファローでは、それだけでよしとしなかった。
確かに釘を刺しても燃えないことは分かったが、燃えないからこそ釘が刺さったままでも気付かないケースがある。その状態で長時間放置してもガスが出たりしないのか? という疑問が社内から上がったのだ。
バッテリーメーカーに問い合わせたところ、「ゲル状電解質は気化しにくいのでそうしたリスクは少ないはずだが、その検証結果はない」という回答だった。それなら実際に検証するしかないと、対応できる機関を探すことになったが、これがなかなかの難題だったという。
「日本のどの検査機関に聞いても、そんなことはやったことがないと断られて、やっと一社見つかりました。こうしたら最悪の状態が再現できるのではという提案をいただきました。それは、分解した半固体バッテリーを湿度100%の飽和水蒸気の中に72時間放置し、出てきたガスを高精度なイオンクロマトグラフで計測するというものです。その結果、危険性のある物質はすべて検出限界以下であることが確認できました」(根本氏)
こうした検証は世界でも他に例がないとのことだが、ここまで検証して初めて、製品化へのGOサインが出た(検証結果はバッファローの公式サイトで公開されている)。
「半固体だから安全」という触れ込みをそのまま信じるのではなく、自分たちの手で検証してこそ、お客様に安心して買ってもらえる……根本氏らが製品化にこだわった理由は、突き詰めればそこに尽きる。安全性を、メーカーの言葉ではなく自社の検証で証明し、その結果を包み隠さず公開する。ここまでやっているメーカーはほとんどない。
「自分の娘に安心して渡せる製品を作りたいと思ってやってきました。『お父さん、これはなぜ安全なの?』と聞かれた時に、嘘偽りなく説明できる製品になったと思います」(根本氏)







